📉再び債券と要人発言に左右される地合い 【FXマーケット・アウトルック|2025年5月28日(水)】
長期金利に振り回される為替市場、ドル高は一時的か
🧭 市場の焦点:再び債券と要人発言に左右される地合い
東京時間から欧州時間にかけての為替市場は、本邦40年債の入札結果を受けた金利上昇に再び反応。しかしながら、ドル円の反応は限定的にとどまり、ややドル買い方向に支えられる展開となりました。
背景にあるのは、ウィリアムズ米NY連銀総裁の発言。
「インフレが中央銀行の目標から乖離すれば、断固たる対応が必要」とのコメントが伝わり、FRBが依然としてタカ派姿勢を維持する可能性を市場が意識。これがドル買い材料として作用しました。
🌍 マーケットの構図:米国売りの一服感と不透明な相場
ここ数週間続いた米国資産離れの動きは、足元で一時的に落ち着きを見せています。
- 米消費者信頼感指数が予想を上回ったことで、米株とドルが揃って反発
- トランプ前大統領による**EU向け関税発動の延期(7月9日まで)**が、リスク回避の一服要因に
- ドルインデックスも下げ止まり、2営業日連続で反発
しかし、ファンダメンタルズの方向感ははっきりせず、マーケットの地合いは依然として「迷いの中」にある状態。長期投資家も短期勢も確信を持てない相場展開が続いています。
🗓 本日予定されている経済指標・イベント
時間帯 | イベント内容 | 注目度 |
---|---|---|
欧州時間 | 🇫🇷 フランスGDP確報(Q1)・生産者物価・消費支出 | ★☆☆ |
欧州時間 | 🇩🇪 ドイツ雇用統計(5月) | ★☆☆ |
アジア時間 | 🇮🇳 インド鉱工業生産(4月) | ★☆☆ |
NY時間 | 🇺🇸 MBA住宅ローン申請・リッチモンド製造業指数(5月) | ★☆☆ |
NY時間 | 🇺🇸 米2年変動利付債・5年債入札 | ★★☆ |
NY深夜 | 🇺🇸 FOMC議事録(5月6-7日開催分) | ★★★ |
NY深夜 | 📊 エヌビディア決算発表 | ★★★(米株連動) |
また、要人発言イベントも散発的に予定されており、
- 🇺🇸 カシュカリ総裁(慶應大学イベント)
- 🇬🇧 ピルBOEチーフエコノミスト(中銀カンファレンス)
- 🇪🇺 テデーン(スウェーデン中銀)
- 🇪🇺 ECB「インフレ期待レポート(4月分)」公表予定
など、断片的ながら材料には事欠かない1日です。
📌 戦略サマリー
- 💵 USD/JPY:米金利の上下動に一喜一憂。上値は重いが下値も限定的。やや様子見。
- 💶 EUR/USD:方向感なく小動きレンジ。ドル主導の展開に連動しやすい。
- 💷 GBP/USD:材料難、短期テクニカルに従うスキャル向け。
- 💱 クロス円:米ドル主導の揺れを吸収。一方向に偏るには材料不足。
✅ 結論:今日のキーワードは「柔軟性」
今週の相場は、日々テーマが切り替わる「見通しにくい」地合いが続いており、トレーダーには柔軟な対応力が求められます。
本日はあくまで「戻り売りスタンスのドルショート」目線を維持しつつも、
FOMC議事録の内容次第でトレンドが反転する可能性もあるため、あらかじめシナリオを複数用意しておくのが得策です。