✅ ドル円上昇、円売りとドル買いの二重支援 CPI控えポジションは慎重姿勢
💴 ドル円:円売り・ドル買いの両面から上昇
ドル円は152円台半ばまで上昇し、今月初旬に付けた153.27円の高値が再び視野に入っている。
一時150円を割り込んだ後、高市首相の就任を契機に再び円売り優勢の流れが強まった。
円売りの背景には、
- 高市内閣による拡張的財政政策への期待
- 金融緩和維持を望む姿勢の明確化
がある。
来週の日銀会合では政策金利据え置き観測が強まっており、
利上げ後退 → 金利差拡大 → 円売り継続という構図が定着している。
💵 ドル買い:地政学リスクと安全資産需要が支援
一方で、ドル買いの流れも継続。
トランプ米大統領が「プーチン首相との会談は時間の無駄」と発言し、
米露関係の停滞を示唆したことで、地政学リスクへの警戒感が再燃した。
この発言をきっかけに、
**「安全資産としてのドル需要」と「円キャリー維持」**の両面が作用。
さらに、原油価格の上昇がリスク回避ムードを強め、
ドル円を押し上げる要因となっている。
🇨🇳 米中協議:報復ムード続くも市場反応は限定的
米中間の通商協議では、
米国がレアアース輸出制限への報復として船舶輸送制裁を検討との報道が浮上。
ただ、市場ではこれを**「トランプ流の交渉演出(TACO取引)」**とみる声が多く、
過度なリスク回避にはつながっていない。
株式市場も高値圏を維持しており、
地政学リスクは限定的に消化されている模様。
📊 最大の焦点:米CPI、FOMC前の「唯一の手掛かり」
米政府機関閉鎖の影響で主要統計が相次ぎ延期となる中、
**米消費者物価指数(CPI)**のみが特例的に発表される見通し。
「発表前にポジションを傾けづらい」
との慎重ムードが市場全体に広がっている。
CPIがインフレ再加速を示せば、
利下げ観測後退 → ドル買い再加速の展開も。
逆に鈍化すれば、一時的なドル売り・利確調整も想定される。
いずれにせよ、今夜は短期値幅狙い中心の静かな展開が見込まれる。
🌍 経済指標・イベント予定
海外指標
- トルコ消費者信頼感指数(10月)
- トルコ中銀政策金利(10月)
- 香港CPI(9月)
- カナダ小売売上高(8月)
- 米中古住宅販売件数(9月)
- ユーロ圏消費者信頼感(速報値・10月)
発言・イベント
- レーンECBチーフエコノミスト(イベント登壇)
- ディングラ英中銀委員(アイルランド会議)
- 米5年物TIPS入札(260億ドル)
- 米企業決算:インテル、Tモバイル、フォード、ブラックストーンなど
ECBは30日までブラックアウト期間に入り、政策発言は限定的となる。
💹 ロンドン市場概況
ロンドン序盤では全体的に小動き。
ドル円は152.50円近辺で高値圏揉み合い、
ユーロドルは1.1605前後、ユーロ円は177円近辺で推移。
ドルストレートは総じて方向感に欠ける。
📊 主要通貨レート(ロンドン時間)
| 通貨ペア | 現在値 | コメント |
|---|---|---|
| USD/JPY | 152.51 | 円売り・ドル買いの両面支援で高値圏維持 |
| EUR/USD | 1.1603 | レンジ中腹で小動き |
| EUR/JPY | 176.95 | 円安地合い続く、高値圏キープ |
✅ 総括
- ドル円は152円台半ばで高値圏推移。
- 円売りとドル買いの二重支援により、下値は依然堅い。
- ただし、米CPI前でポジション調整優勢、一方向の仕掛けは限定的。
- 高市内閣の政策スタンスと日銀会合の結果が、
中期トレンドの分岐点となる可能性が高い。 - 今夜は短期トレード・ヘッジ主体のレンジ取引が中心となりそうだ。





