✅ ドル売り優勢、ドル円150円割れの持続性が焦点に
💹 今週の為替市場:ドル売り主導、政局リスクが圧迫要因
今週の為替市場は、ドル売りが優勢な展開となっている。
ドル円は東京市場で一時150.50円付近まで下落し、
先週まで続いた「高市トレード」の巻き戻しが顕著に表れた。
自公連立の崩壊を受けて、高市総裁は野党との協議を模索しているが、
政策面での溝が埋まらず、政局の不透明感が市場心理を冷やす要因となっている。
昨日報じられた維新との会談も、企業献金禁止などの論点で進展は見られず、
市場は依然として「突発的な政局ニュース」に敏感な状態が続く。
🇺🇸 米国:通商リスクとトランプ発言がドルの重荷に
米国では、トランプ大統領がガザ情勢の沈静化後に
再び通商問題へ関心を向けており、対中追加関税の可能性を示唆。
その後、発動を見送る姿勢を示したものの、
一貫性に欠ける発言がドルの上値を抑制している。
さらに、
- ウクライナ情勢の長期化
- 対ロ制裁強化によるエネルギー価格上昇リスク
が重なり、リスク回避的なドル売り圧力が広がっている。
💴 ドル円:150円割れ攻防、政治要因と米金利が交錯
ドル円は先週の急伸(147円→152円)後に反落基調を維持。
政治リスクと米金利動向が交錯する中で、
節目の150円割れを維持できるかが焦点となっている。
ロンドン時間には、一時151.38円まで反発。
これは「自民・維新の政策協議で前進」との報道がきっかけだったが、
実際には合意に至らず、一時的な買い戻しに留まった。
📈 主要通貨動向(ロンドン時間)
| 通貨ペア | 現在値 | コメント |
|---|---|---|
| USD/JPY | 151.16 | 戻り売り優勢、150円攻防続く |
| EUR/JPY | 176.18 | ユーロも軟調、円高圧力強まる |
| GBP/JPY | 203.06 | ポンド買い戻しも勢い限定的 |
🏦 経済指標・要人発言スケジュール
今夜の主な指標
- ユーロ圏貿易収支(8月)
- カナダ住宅着工件数(9月)
- 米フィラデルフィア連銀景況指数(10月)
→ 予想:10.0(前回23.2) - 米NAHB住宅市場指数(10月)
注目の要人発言
- 🇺🇸 FRB:ウォラー理事、ミラン理事、バー理事、ボウマン副議長、カシュカリ総裁
- 🇪🇺 ECB:ラガルド総裁、レーン主任エコノミスト、コッハー・オーストリア中銀総裁
- 🇬🇧 BOE:マン委員、リーン委員
複数のFRB高官発言が予定されており、
ドル売り基調が一服するか、あるいは加速するかを左右する重要局面となる。
🇨🇳 中国:レアアース発言を軟化、対立トーンを緩和
中国商務省は以下の声明を発表:
「レアアース輸出規制は輸出禁止とは異なる」
「米国が過去の協議の進展を評価し、誤りを是正することを望む」
これにより、市場が懸念していた米中報復合戦の激化リスクは一時後退。
過度なリスク回避ムードが和らぎ、アジア時間の株価反発を支えた。
✅ 総括:ドル売り基調続くも、150円攻防が次の分岐点
- 政局リスクと通商摩擦がドル売りの主因。
- ドル円は150円台維持が焦点で、割り込めば一段安の可能性。
- FRB理事発言と米景況指標の内容次第では、
「ドル売り継続」か「一時反発」かが決定づけられる局面。
市場は依然として政治・金融政策の両面で神経質な動きが続き、
週後半に向けてボラティリティ拡大に警戒が必要だ。





