主要イベント通過で市場一服、ドル円は154円台で週末・月末調整ムード


💹 ドル円:材料出尽くしで一息、短期的な過熱感も

今週は米FOMC・日銀・ECB・カナダ中銀と主要中銀の会合が集中。
いずれも市場予想通りの結果となり、為替市場では材料出尽くし感が広がっている。

ドル円は前日の海外市場で一時154.45円まで上昇。
ドル高と円安が重なり、クロス円も堅調だったが、
週末・月末を迎え、ポジション調整やリバランスの動きが出やすい地合いとなっている。

足元では154.10円前後で推移
相場は高値圏ながらも落ち着きを取り戻しており、
短期的な一服感と過熱修正のバランスを模索する展開だ。


🏦 主要中銀イベントの結果まとめ

中銀政策内容市場反応コメント
🇺🇸 FRB0.25%利下げ(予想通り)ドル買いパウエル議長「12月利下げは確定でない」慎重姿勢
🇯🇵 日銀7対2で据え置き円売り植田総裁「確度上昇も、もう少しデータを見たい」
🇪🇺 ECB据え置き反応限定物価安定を確認、政策据え置き姿勢継続
🇨🇦 カナダ中銀据え置き加ドル売り利下げ余地を残すハト派的姿勢

🗣️ 植田総裁発言:「もう少しデータを見たい」

「経済・物価見通しの確度は上がっているが、もう少しデータを見たい」
「現状、ビハインド・ザ・カーブに陥る懸念は高まっていない」

この発言を受け、市場は**「利上げはまだ先」**と判断。
同時に、高市政権による「景気最優先の高圧経済路線」が
金融緩和の延命を後押ししている構図も意識されている。

そのため、為替では依然として円売りトレンドの持続性が注目される一方、
上値では当局によるけん制発言リスクも意識されている。


🌍 政治・国際要因:表面上の融和ムード

APEC首脳会談では、米・日・中・韓がそれぞれ会談を実施
各国は「貿易協力・関係改善」を打ち出し、建前上は融和ムードが広がった。
ただし、市場では「構造的な摩擦は未解消」との冷静な見方が優勢だ。

中国とカナダの関係正常化報道(新華社)では、
貿易・エネルギー分野の協力再開が伝えられ、
一時的な安心感を生む要因となった。


💹 株式市場:米ハイテク好決算が支え

米IT大手の好決算(Apple・Amazonなど)がリスク選好を刺激し、
S&P500・日経平均・英FT指数はいずれも過去最高値圏を維持。
ただし、月末を迎える今週末は、
リバランスや利益確定売りによる小反落にも注意が必要だ。


📊 本日の注目指標・イベント

時間帯内容注目度
🇪🇺 ユーロ圏HICP(10月速報)インフレ鈍化確認が焦点⭐⭐⭐
🇨🇦 カナダ実質GDP(8月)成長鈍化懸念⭐⭐⭐
🇺🇸 シカゴPMI(10月)景況感の方向性を占う⭐⭐
🌐 中銀要人講演(ローガン、ボスティックほか)利下げ議論の温度感に注目⭐⭐
🇯🇵 日銀国債買い入れ日程(11月)イールドカーブの反応⭐⭐
🇺🇸 企業決算(シェブロン、エクソン、アッヴィ)原油・医薬セクター動向⭐⭐⭐

💱 ロンドン時間 為替概況

通貨ペア現在値コメント
USD/JPY154.14上昇一服、週末ポジション整理へ
EUR/USD1.1569小動き、イベント通過で様子見
EUR/JPY178.70高値圏維持、クロス円堅調
GBP/JPY202.95203円目前、上値重さ意識

✅ 総括

主要イベントを通過し、為替市場は一時的な落ち着きを取り戻した。
ドル円は154円台で高止まりしているが、
週末・月末の調整ムードが上値を抑える可能性がある。

来週は米雇用統計・日本の祝日明け相場が次の焦点。
現時点では、

高市政権の景気重視 × 日銀の慎重姿勢
が円安基調を支える一方、
利確・リバランスによる一時的な揺り戻しに警戒したい局面だ。

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