✅ 全般に一進一退、ポンド売りがドル高を誘発 金相場は調整入りの兆し
💹 市況概況:リスク資産に調整、為替は一進一退
今週の市場は全般的に方向感に欠ける展開が続いている。
とくに注目されたのは、高騰を続けていた金相場の調整入り。
金鉱株が大きく売り込まれるなど、リスク資産全体に調整ムードが広がりつつある。
ただし、米利下げ観測は依然として根強く、
「押し目買いの好機」とみる投資家も少なくない。
金相場の調整が株式市場全体へ波及するかが、次の焦点となる。
💴 ドル円:高市トレード一巡もキャリーフローが下支え
高市首相就任を受けた“高市トレード”は一巡。
東京市場ではドル円が151円後半を中心に小幅レンジ推移し、
152円台では上値の重さが意識された。
一方で、日銀の10月利上げ観測は急速に後退。
依然として日米金利差の拡大構図が維持され、
円キャリー取引にとっては好環境が続いている。
高市内閣が経済対策を最優先に掲げており、
市場では「円安けん制発言が出るか否か」が次の注目材料だ。
💷 ポンド:予想下回るCPIで急落、ドル高を誘発
本日の焦点はポンドの急落。
発表された英国9月CPIは以下の通り:
| 指標 | 実績 | 予想 | 前回 |
|---|---|---|---|
| 前月比 | ±0.0% | +0.1% | +0.3% |
| 前年比 | +3.8% | +4.0% | +4.2% |
インフレ率の伸び鈍化を受けて、ポンド売りが急拡大。
ポンドドルは1.3380台から1.3330を割り込み、
一時1.3315まで下押しした。
この下落がドル全面高の引き金となり、
ユーロドルも1.1593の安値を付けるなど、
欧州通貨が軟調に推移している。
💵 ドル動向:ドル買い戻しの流れがじわり再燃
ドル指数は週初から緩やかな上昇基調を維持。
背景には、
- ポンド・ユーロの軟調
- 米利下げペース鈍化観測
が挙げられる。
市場では「ドル買い戻しが進みやすい地合い」との見方が優勢で、
一方的なドル売りトレンドへの反転は時期尚早とされている。
📊 経済指標・イベントスケジュール
本日の主な指標:
- 南アCPI(9月)
- 米MBA住宅ローン申請指数(10/11–10/17週)
いずれも市場への影響は限定的と見られる。
発言・イベント関連:
- デギンドスECB副総裁(不動産会議)
- ラガルドECB総裁(金融会合)
- 米週間石油在庫統計
- 米20年債入札(130億ドル)
- 米企業決算:テスラ、IBM、AT&T、アルコア
企業決算シーズン本格化により、業績内容がドル買い支え要因となる可能性もある。
💹 ロンドン市場序盤:小動きレンジ、ポンド戻り鈍い
ロンドン時間序盤、為替市場は全般的に小動き。
ドル円は151.80円近辺で高止まり、
ユーロドルは1.1600前後で推移。
ポンドはCPIショック後の反発が鈍く、1.33台前半で軟調に推移している。
📊 主要通貨レート(ロンドン時間)
| 通貨ペア | 現在値 | コメント |
|---|---|---|
| USD/JPY | 151.82 | 高止まり、レンジ上限意識 |
| EUR/USD | 1.1602 | ドル高優勢で安値圏推移 |
| GBP/USD | 1.3315 | CPI下振れで戻り鈍い |
✅ 総括
- 市場全体は調整ムードと一進一退の様相。
- ポンド急落がドル高再燃の引き金に。
- 金相場の調整が株式市場へ波及するリスクも警戒。
- ドル円は151円台後半で底堅く推移。
- 来週の日銀会合と高市政権の政策発言が、次のトレンド分岐点となる。