✅ 日米会合通過でドル円153円台後半へ 高市政権の「高圧経済」と日銀の慎重姿勢が交錯
💹 ドル円:イベント通過で円売り再加速、2月以来の高値圏
ドル円は一時153.89円をつけ、今年2月以来の高値を更新。
米FOMCと日銀会合という2大イベントを通過し、
市場では円売り・ドル買いの動きが再び強まった。
- FRB:予想通り0.25%の利下げを決定。
パウエル議長は会見で「12月の追加利下げは確定的ではない」と発言し、
市場の早期緩和観測をやや後退させた。これを受けドル買い・金利上昇が優勢に。 - 日銀:7対2で現状維持を決定。
高田・田村両委員が0.75%利上げを提案したものの、賛成少数にとどまった。
タカ派シフトが広がらなかったことで、円売り圧力が再燃している。
🏦 植田総裁会見:「もう少しデータを見たい」発言が市場を動かす
植田総裁は会見で、
「経済・物価見通しの実現確度は上がっているが、もう少しデータを確認したい」
と発言。
消費者物価については「基調的な上昇率は緩やかに上昇中」としつつ、
「ビハインド・ザ・カーブ(後手)に陥る懸念は高まっていない」とも述べた。
この慎重なトーンを受け、
市場では「12月利上げの可能性はやや後退」との見方が広がった。
ブルームバーグ調査(50人のエコノミスト)による利上げ予想:
| 会合時期 | 利上げ予想比率 |
|---|---|
| 10月会合 | 10% |
| 12月会合 | 50% |
| 来年1月まで | 98%(ほぼ全員) |
💴 高市政権の“高圧経済”と日銀のジレンマ
高市首相は就任以降、「高需要・高雇用を維持する積極的政策」を強調。
景気刺激を最優先に据えた「高圧経済」路線を打ち出している。
その結果、
日銀は金融緩和の継続を求められる政治的環境に置かれ、
政策判断において「利上げしにくい構図」が形成されている。
市場では、
「金融政策が政治とのバランスで後手に回るリスク」を指摘する声も強まっており、
円安トレンドの持続性を見極める局面に入っている。
🌍 海外動向:米中関係改善が支え、ECB会合に注目
米中首脳会談では、
- 中国:レアアース輸出規制を1年間延期
- 米国:中国産大豆の大型購入を承認
トランプ大統領は「10点満点で12点」と自賛。
地政学リスクが一時後退し、市場には安心感が広がった。
ただし、株式市場はやや買い疲れの兆しも見せている。
このあと控えるECB理事会では、
政策金利の据え置きがコンセンサス。
ただし、ラガルド総裁が「食品インフレ上昇に警戒」と発言しており、
タカ派的トーンに転じる可能性も警戒されている。
📊 本日の主要指標
| 地域 | 指標 | 注目点 |
|---|---|---|
| 🇫🇷 フランス | 実質GDP速報(Q3) | 成長鈍化が焦点 |
| 🇩🇪 ドイツ | 雇用統計・CPI速報 | 景気底打ちの兆候注視 |
| 🇪🇺 ユーロ圏 | 景況感・GDP速報 | 成長の明確化がカギ |
| 🇲🇽 メキシコ | 実質GDP速報 | 鈍化傾向の継続 |
| 🇿🇦 南ア | PPI(9月) | ランドの反応に注目 |
💱 ロンドン時間 為替概況
| 通貨ペア | 現在値 | コメント |
|---|---|---|
| USD/JPY | 153.71 | ドル高・円安進行、2月高値接近 |
| EUR/JPY | 178.53 | クロス円買い加速 |
| GBP/JPY | 202.95 | 円売り主導で高値更新 |
| EUR/USD | 1.1640 | ECB待ちで方向感薄い |
✅ 総括
- FOMC利下げ+日銀据え置きがドル高・円安を同時に誘発。
- 植田総裁の慎重姿勢が短期的な円売り圧力を再燃させた。
- ドル円は153円後半で推移し、154円台への上値トライが視野。
今後の焦点は:
- 🕵️♂️ 植田総裁が次回会合で利上げを明示するか
- 🏦 ECBの会見トーンがタカ派化するか
- 📉 米株が高値調整に入るかどうか
👉 高市政権の「景気優先政策」と日銀の「慎重な金融姿勢」。
この二つの軸が交錯する中で、ドル円は高値警戒と押し目買いが交錯する展開が続きそうだ。





