✅ 週末を控えて高市トレードの勢いは落ち着くか
💴 急ピッチの円安に一服感、ポジション調整の動きも
今週の為替市場は、「高市トレード」を背景に円安・ドル高が鮮明となった。
日銀利上げ観測が後退し、日米金利差の拡大を材料にした円キャリートレードが勢いを増している。
ドル円は先週末の147円台から急伸し、本日の東京市場では153円台前半で取引。
わずか1週間足らずで5円超の上昇という異例のスピードとなった。
もっとも、ここ数日は153円付近で上昇一服。
週末を前にして短期筋によるポジション調整の動きが入りやすくなっている。
加藤財務相からも「一方的で急激な動きが見られる。ファンダメンタルズを反映した安定的推移が重要」との発言が出ており、
市場では政府・日銀によるけん制や実弾介入への思惑も浮上し始めている。
🏛 政治的リスクと米国要因:日米会談への注目
月末にはトランプ米大統領と高市首相の会談が予定されている。
急速な円安は日本の輸出産業には追い風となる一方で、輸入コストを押し上げ、
日米貿易バランスの悪化要因としても懸念されている。
こうした環境下で、高市首相から「円安けん制」発言が出る可能性もあり、
政治的な一言が相場を大きく揺らす展開にも注意が必要だ。
一方で、市場における日銀の早期利上げ観測はすでに大幅に後退しており、
海外勢による円キャリー取引を止めるには、
実際の政策変更や介入といった強いアクションが不可欠との見方も根強い。
📊 海外市場の注目指標と発言予定
この後の海外市場での経済指標発表:
| 指標 | 対象期間 | 市場予想 | ポイント |
| – | – | | – |
| メキシコ鉱工業生産指数 | 8月 | 前回比プラス見込み | 為替影響限定 |
| カナダ雇用統計 | 9月 | 失業率7.2%(前回7.1%) | 雇用者数+0.5万人(伸び鈍化) |
| 米ミシガン大学消費者信頼感指数(速報) | 10月 | 54.0(前回55.1) | インフレ期待と消費マインドに注目 |
要人発言スケジュール:
エスクリバ・スペイン中銀総裁(会議出席)
グールズビー・シカゴ連銀総裁(イベント開会挨拶)
ムサレム・セントルイス連銀総裁(米経済・金融政策講演)
米政府機関閉鎖の影響で主要統計が発表されない中、
こうした当局者発言が今週最後の市場材料となりそうだ。
💹 為替・市場動向まとめ
| 指標・通貨 | 現在値 | コメント |
| | | — |
| USD/JPY | 153.10付近 | 高値圏も上昇一服、介入警戒感強まる |
| EUR/JPY | 175円台前半 | 円安トレンド継続も勢い鈍化 |
| ドルインデックス | 99.30(-0.24, -0.24%) | 週末を前に小反落、ドル高の調整局面 |
🕊 地政学リスク:イスラエル情勢も一服
イスラエルとガザ地区では停戦合意が現地時間正午に発効。
中東リスクが一時的に後退し、安全資産買い(円・金)への圧力も和らいでいる。
ただ、地政学的リスクは依然として根強く、
突発的な報道によるリスクオフの円買いには引き続き注意が必要。
✅ 総括:
ドル円は高市トレード主導で上昇トレンド継続も、上昇ピッチが速すぎる。
政府・日銀の円安けん制や介入発言への市場警戒感が高まっている。
週末・三連休前で短期的な調整(利益確定売り)が入りやすいタイミング。
来週以降は高市首相発言、トランプ会談、そして米FOMC議事録内容が
次の相場方向を決める重要イベントとなる。