【ドル高続行】米CPIを受けた市場の反応と、次の注目はPPI
昨日の米CPI発表後、ドル相場は再び強含み。東京市場ではドル円が149円台を突破し、ドル高基調が鮮明になっています。本日の焦点は、6月の米PPI(生産者物価指数)に移ります。
✅ ドル円149円台へ、CPIが示した“インフレ粘着性”
- 昨日の米CPI(6月)は市場予想に沿う内容でしたが、前回より上昇したことで、根強いインフレ圧力が意識されました。
- 発表直後は一時的にドル売りが入ったものの、その後はドル買いが優勢となり、FRBの早期利下げ観測は一段と後退。
- これを背景に、ドル円は東京時間で149円台に上昇し、年初来高値を意識する展開となっています。
✅ 本日の焦点:米PPI(生産者物価指数)
- 発表時刻:日本時間 21:30
- 対象月:6月
市場予想:
- PPI 前月比:+0.2%(前回+0.1%)
- PPI 前年比:+2.5%(前回+2.6%)
- コアPPI 前月比:+0.2%(前回+0.1%)
- コアPPI 前年比:+2.7%(前回+3.0%)
注目ポイント:
- 前月比では小幅加速が見込まれる一方、前年比では鈍化予想。
- CPIほどのインパクトはないものの、関税前の駆け込み需要が反映されるかが焦点です。
✅ その他の経済イベント
- 欧州指標:ユーロ圏貿易収支(5月)
- 新興国指標:南ア小売売上高(5月)
- 米国関連:
- MBA住宅ローン申請指数(7/5~7/11)
- 鉱工業生産指数(6月)
- カナダ:住宅着工件数(6月)
✅ 要人発言・注目イベント
- FRB関係者:バーキン、ハマック、バー理事、ボスティック、ウィリアムズが講演予定。
- 米ベージュブック(地区連銀経済報告):景気動向や物価見通しを確認。
- 米週間石油在庫統計:原油市場への影響を注視。
- 米企業決算:ゴールドマン、モルガン・スタンレー、バンカメ、J&J、アルコア、ユナイテッド航空など、金融と景気敏感株が相次ぎ発表。
✅ 英ポンド:CPIサプライズ上振れも買い続かず
- 6月CPI(前年比):+3.6%(前回+3.4%)で予想を上回る結果。
- 発表直後、ポンドドルは1.34台(1.3417)まで急伸したものの、ロンドン時間には1.3380台へ反落。
- ポンド円も一時199.74まで上昇した後、199円台前半まで押し戻されています。
背景:
- インフレ加速でBOEの利下げ観測は後退しましたが、上振れの要因がエネルギー・食品価格中心とあって、景気への悪影響が懸念され、上昇は続きませんでした。
✅ 総括:ドル高基調は継続するのか?
- 米CPI後の流れ:FRBの早期利下げ期待はさらに後退し、ドル買い優勢の流れが継続。
- 次の注目材料:米PPI、ベージュブック、そして米企業決算。
- 英ポンド:インフレサプライズで買われるも、景気リスクが重石。
今夜の米指標と決算結果次第では、ドル円150円突破の思惑が高まる可能性もあります。マーケットは引き続き、米金利動向と政策スタンスを手掛かりに方向感を探る展開となりそうです。