【円安が止まらない】通商リスク・政治不安・FOMC議事録…円売り加速の真相とは?
2025年7月9日現在、東京市場では円安の勢いが一段と強まり、ドル円をはじめとした主要クロス円が上昇しています。背景にあるのは、国際的な通商リスク、日本国内の政局不安、そして米国の金融政策への注目です。本記事では、現在の円安進行の要因と、今後の注目材料について詳しく解説します。
🇺🇸 米国からの「トランプ関税」再来懸念
米政府から日本に対し、自動車などの対米輸出品に25%の関税を科す可能性があるとする通知文書が送られました。8月1日まで交渉猶予が残されていますが、日本の輸出企業への影響は避けられず、市場ではすでに「円売り材料」として意識されています。
👉 特に懸念されるポイント
- 対米輸出への依存度が高い自動車セクター
- 米中摩擦の再燃リスクも併せて警戒
🇯🇵 参院選で高まる「政局不安」と財政懸念
7月下旬に予定されている参院選では、与党が過半数を割る可能性が報じられています。特に注目されているのが、保守系野党の台頭と、それに伴うバラマキ政策・減税案の拡大です。
💡 マーケットの反応
- 財源の裏付けが不明確 → 国債増発懸念
- 超長期債の利回り上昇 → 円資産売りが進行
💱 円安が進行中:ドル円・クロス円が続伸
為替市場では、ドル円が147円台に到達し、6月23日に記録した148円の高値を意識する展開となっています。ユーロ円は172円台、ポンド円は200円に迫る勢いで、「円売りトレンド」が明確化しています。
📌 注目の水準
- ドル円:148円台を突破できるか
- クロス円:リスクオン地合い継続かに注目
🧩 今夜の焦点:FOMC議事録と要人発言
今夜以降の海外市場では、以下の材料が注目されています。
発表予定の経済指標
- 米MBA住宅ローン申請件数(6月28日〜7月4日)
- 米5月卸売在庫(確報値)
- メキシコ6月CPI
注目の中銀関係者発言
- レーンECB主席エコノミスト
- デギンドスECB副総裁
- ナーゲル独連銀総裁
その他
- 米10年債の入札(総額380億ドル)
🔍 最大の注目:FOMC議事録で示されるインフレ観
日本時間で今晩深夜に公表されるFOMC議事録(6月17〜18日分)は、インフレへの認識や利下げスタンスを探る上で非常に重要です。
💬 前回会合のポイント
- 政策金利は据え置き(市場予想通り)
- 年内2回の利下げ見通しは維持(ハト派的)
- パウエル議長は「関税のインフレ転嫁」を強調 → ドル買い要因に
今回の議事録では、委員のインフレ見通しや意見の分布(タカ派vsハト派)が焦点となるでしょう。
✅ まとめ:円安トレンドは続くのか?
現在の円安は、「通商リスク+政局不安+米金融政策」という3つの要因が複合的に絡み合って生じています。とくに、トランプ政権による関税方針が表面化するなか、日本経済への懸念が強まっている状況です。
今後は、
- ドル円148円突破の有無
- 米FOMC議事録のトーン
- 参院選の展開
といった材料が、円相場の方向性を決定づける鍵となります。引き続き、政治・経済・金融政策の三位一体の視点から相場を冷静に見極める必要があるでしょう。