【再燃する関税ショック】トランプ発表でカナダドル急落、カナダ雇用統計にも注目
2025年7月上旬、トランプ前大統領による相次ぐ関税発表が金融市場に再び波紋を広げています。ブラジルに50%、そして本日はカナダに対して35%の関税課税が発表され、各国通貨が敏感に反応しました。この記事では、特にカナダドルへの影響と本日の経済指標・要人発言について整理します。
🇨🇦 カナダに35%関税:カナダドル急落の背景
昨日のブラジルに続き、トランプ氏がカナダ製品に35%の関税を課す方針を表明。これを受けてカナダドルは下落基調を強めています。
📌 ポイント:
- カナダは対米依存度が高く、関税の影響が直接的に波及
- 原油価格の下落とも相まって、CAD売りが加速
- 市場では今後の追加関税への警戒感も根強い
ただし、ドルインデックス全体では緩やかな上昇にとどまっており、米株式市場も上昇基調を維持。全体としては「リスク警戒よりも材料消化モード」が強まっています。
👥 注目の経済イベント:カナダ雇用統計とポンド相場の行方
今夜のカナダ雇用統計は、カナダドルにとって重要な分岐点となる可能性があります。
予想値
- 雇用者数:前回+0.88万人 → 今回はほぼ横ばい予想
- 失業率:前回7.0% → 今回は7.1%へ上昇見通し
これが現実となれば、労働市場の軟化+関税ショックというダブルパンチで、カナダドルはさらに不安定な動きを見せる可能性が高いです。
また、ポンド相場に対しても注目が集まっていますが、現時点では明確な指標や材料には乏しく、他通貨の動きに連動する形となりそうです。
🌐 その他の経済指標と低注目イベント
本日発表予定のその他経済指標は以下の通りですが、いずれも市場への影響は限定的と見られています。
- 🇹🇷 トルコ:経常収支(5月)
- 🇲🇽 メキシコ:鉱工業生産指数(5月)
- 🇨🇦 カナダ:住宅建設許可(5月)
🗣 要人発言:欧州・中東欧からも注目コメント
発言イベントでは、各国中銀関係者による登壇が予定されています。特に欧州の金融政策や地政学的テーマに関連した内容が想定されます。
- パネッタ(イタリア中銀総裁)、ジョルジェッティ(伊経済財務相)
→ イタリア銀行協会会議で講演予定 - ブイチッチ(クロアチア中銀総裁)
→ 「世界貿易の未来:二国間主義、多国間主義、あるいは分裂か」について講演 - チポローネ(ECB理事)
→ ウクライナ復興会議に参加予定
これら発言のなかで、地政学的リスクや欧州経済に関するヒントが得られれば、ユーロや欧州通貨にも影響を及ぼす可能性があります。
✅ まとめ:CADは波乱含み、次の一手に備えるべき局面
トランプ氏による一連の関税報道は、国別・通貨別に異なる影響を与える局面となっています。カナダドルに関しては、関税と経済指標のダブルイベントが重なる本日が重要なターニングポイントです。
為替市場全体としては、一部通貨に鋭く反応しつつも、株高を背景とした底堅いリスク選好も維持されているため、トレンドの方向感がつかみにくい状況が続きます。
今後も、政策発表・選挙イベント・経済データの“国別影響”を丁寧に見極める姿勢が求められそうです。