【為替市況】ドル円が軟調、背景は日米要因 トレンドの持続性を検証
✅ 現状とマーケットの動き
ドル円はここ数日、146円後半~147円前半のレンジで軟調な推移を続けています。
背景には、日米両面の材料が複雑に絡む状況があります。
- 日米通商合意の発表で不透明感が一時後退し、初動は円高方向へ。
- しかし、その後は日銀の利上げ観測やFRB議長への辞任圧力が再び意識され、方向感は定まらず。
株式市場は一部リスク要因の解消を好感して続伸。
ただ、リスク選好による円安圧力と、政策要因によるドル安・円高圧力の綱引きが続いています。
✅ ドル円軟調の背景を整理
日本サイド
- 日銀は段階的な利上げ方針を維持するとの見方が強い。
- 背景には、財政拡大期待とインフレ見通しがあり、政局混乱の中でも金融政策は引き締め方向へ。
米国サイド
- トランプ大統領がパウエルFRB議長に辞任圧力をかけ続ける構図。
- FRBの独立性懸念 → 米国債利回り低下 → ドル売り圧力が鮮明。
- ただし、強い米経済指標が出ればドル買い戻しの可能性も残る。
リスクシナリオ
- 株高(リスクオン)が優勢なら、円安反転の芽もあるが、
- 現状は「ドル安・円高要因」と「リスク選好による円安要因」がせめぎ合い、一方向には動きにくい状態。
✅ 今週の注目材料
欧米・各国PMI速報値(7月)
- フランス、ドイツ、ユーロ圏、英国、米国の景況感が焦点。
- PMIの強弱は、ECBやFRBの政策スタンスに影響。
政策イベント
- トルコ中銀・ECB理事会:ECBは据え置き予想がコンセンサス。
- ラガルド総裁会見では、次回以降の利下げ示唆があるか注視。
米国経済指標
- 新規失業保険申請件数(7/13~7/19)
- 新築住宅販売(6月)
通商関連
- 米・EU交渉の進展がカギ。
- 日本同様に合意が早期成立するか不透明で、交渉決裂なら制裁関税リスク再浮上。
発言・イベント
- トランプ大統領コメント、米中・米EU交渉関連ニュース。
- 企業決算:インテルなど主要企業の動向に注目。
✅ ポンド関連トピック
- 7月英CBI製造業受注指数:-30(予想-28、前回-33)
- 改善はしたものの予想未達。受注は依然低迷。
- 一方、販売価格指数は+21(予想+20)で物価圧力が続く状況。
✅ 総括と戦略ポイント
- ドル円は下押し圧力が残る一方、決定打は不足。
- 次の焦点:
- 米金利とFRBの独立性問題
- 日本の政局と日銀のスタンス
- 欧州PMIとECB理事会の利下げ見通し
相場は「政策テーマ+通商交渉+PMI」に敏感に反応しやすい局面です。
短期的には147円を軸としたレンジ継続、ブレイク要因待ちの相場展開とみられます。