【週明けFX展望】ドルは高水準を維持、トランプ関税報道に市場は緊張感|7月8日(月)
🎯 市場は「7月9日通告」へ緊張感、ドル高水準をキープ
7月8日(月)の為替市場は、週末の米雇用統計の好結果を受けたドル高基調を維持したままスタートしました。
目立った経済指標の発表は少ないものの、**トランプ氏による関税通告の期限(7月9日)**を控え、警戒感が広がる一日となりそうです。
🇯🇵 東京市場:株軟調、為替はドル買いが優勢に
東京株式市場は朝からやや軟調なスタート。
背景には以下の要因が見られます:
- トランプ政権による相互関税の期限接近(7月9日)
- 米長期金利(10年債利回り)が4.32~4.33%で高止まり
- 先週の米雇用統計が予想を上回り、米景気の底堅さを示唆
為替市場では、ドル円が144円台を回復する場面もあり、金曜日の調整安からの買い戻しが進行。
ドル指数(DXY)は97.13付近で推移し、10日移動平均(97.205)を意識する展開です。
📝 トランプ関税:「7月9日通告」→「8月1日発効」の可能性
注目の通商政策では、トランプ前大統領が15か国前後に「関税に関する書簡」を送付するとの報道が流れています。
- 通告期限:7月9日(火)
- 関税発効想定日:8月1日(木)
- 書簡内容:「貿易協定締結か、一方的関税導入か」の選択肢提示
- 市場で囁かれる戦術:「TACO(仮合意戦術)」の再来
とりわけ日本が書簡送付対象に含まれるかどうか、また関税率が何%に設定されるかが、ドル円相場に大きく影響すると見られます。
悪材料となれば**「円買いのリスクオフ反応」**には要警戒です。
📆 本日の経済イベント・要人発言
📉 経済指標(弱含み見通し)
- ユーロ圏小売売上高(5月)
前月比:-0.6%、前年比:+1.4%(ともに弱めの予想)
🗣 要人発言・イベント予定
時間帯(JST) | 内容 |
---|---|
終日 | ナーゲル独連銀総裁 講演(欧州経済見通し) |
終日 | ホルツマン・オーストリア中銀総裁 会議参加 |
終日 | ユーロ圏財務相会合(通貨政策など協議) |
~7日まで | BRICS首脳会議(インド・中国・南アなどの発言に注意) |
💡 本日の注目ポイントまとめ
✅ ドル円は144円台を軸に戻り売りと押し目買いの攻防
✅ 「日本が関税対象となるか」が市場の材料に
✅ DXYは97.20を超えるかが短期トレンド分岐線
✅ ユーロ関連は要人発言と小売売上高に注意
📣 週明けの静かな相場は、“嵐の前の静けさ”かもしれません。
明日の関税通告を前に、材料が出れば一気にボラティリティが高まる可能性があります。
ポジションは軽めに、速報系のヘッドラインに素早く反応できる体制を整えておきましょう。
🔍 通貨ペア別の戦略・テクニカルサマリー
💵 USD/JPY|144円台でのレンジ形成、材料待ち相場
ファンダメンタルズ:
- 米雇用統計好結果 → 利下げ観測後退 → ドル買い支援
- 米関税通告(7/9)にらみで、日本が対象となれば円高圧力
テクニカル:
- サポート:143.50円(20SMA)
- レジスタンス:144.80円(6月戻り高値付近)
- RSI:58(中立〜やや買い優勢)
戦略メモ:
- 上値は144.80円~145.00円で重くなる可能性
- 下値は143.50円を明確に割れると調整幅拡大へ
- 材料待ちにつき、**オプションショート(狭いレンジ売り)**も一案
💶 EUR/USD|ユーロ上昇一服、ECB理事発言に注目
ファンダメンタルズ:
- ユーロ圏小売売上が弱ければ、ユーロ高は一段落へ
- デギンドス発言「1.20超は複雑」とのけん制に市場が敏感反応
テクニカル:
- サポート:1.0770(50日線)、1.0720(200日線)
- レジスタンス:1.0850(直近高値)
- RSI:55(やや買い優勢)
戦略メモ:
- 1.08台前半では戻り売り優勢
- 小売データが弱ければ1.07台半ばまでの調整も視野
- **イベント後の押し目買い狙い(1.0730~1.0750)**が有効か
💷 GBP/JPY|英政局とBOE利下げ観測が重しに
ファンダメンタルズ:
- 福祉改革後退 → 英財政悪化懸念 → 国債売り・ポンド売り
- 8月のBOE利下げ観測が急速に織り込まれつつある
テクニカル:
- サポート:183.50円(直近安値)、182.70円(50日線)
- レジスタンス:185.60円(短期戻り高値)
- RSI:44(売り圧力やや優勢)
戦略メモ:
- 弱材料が多く、上昇は限定的・戻り売り有利
- 政治関連のヘッドラインには即応できる体制を
- 183円割れはストップ集中領域、一段安に要注意
🇨🇦 CAD/JPY|原油連動+米加通商協議がカギ
ファンダメンタルズ:
- カナダがデジタル課税撤回 → 米との関係改善材料に
- 原油価格反転上昇 → 加ドルに好影響
テクニカル:
- サポート:104.00円(短期サポート)
- レジスタンス:105.30円(6月高値圏)
- RSI:62(買い優勢)
戦略メモ:
- 原油連動+通商進展なら、104円台での押し目買い戦略が優勢
- 米加交渉失敗や原油反落なら104円割れの下振れに注意
🇦🇺 AUD/JPY|利下げ織り込み済み、RBA後の動意待ち
ファンダメンタルズ:
- RBA理事会は0.25%利下げを完全織り込み
- インフレ見通し次第で“タカ派的利下げ”なら豪ドル支援材料に
テクニカル:
- サポート:95.20円(5日線)、94.80円(20日線)
- レジスタンス:96.50円(6月戻り高値)
- RSI:59(買い方向ながら過熱感なし)
戦略メモ:
- RBAイベント後の材料出尽くし警戒 → “噂で買って事実で売る”展開も
- 場合によっては95円割れまでの調整に備える
✅ 本日の注目時間と戦略メモ
時間(JST) | 注目イベント | 戦略の焦点 |
---|---|---|
終日 | トランプ関税報道 | USD/JPYの急変リスク、リスクヘッジ意識 |
18:00〜21:00 | ナーゲル独連銀総裁など要人発言 | EUR/USDの上下ブレに注意 |
18:00 | ユーロ圏小売売上高(5月) | 弱ければEUR/USD押し目形成か |