昨日の米消費者物価指数(CPI)の発表は予想以上に波乱を呼びました。前年比+3.0%、コア前年比+3.3%とインフレの伸びが予想以上に鈍化したため、米債利回りが急低下し、ドル売りが強まりました。その後もドル円の急落が続き、クロス円とともに円高が進行しました。
市場では、米CPI発表のタイミングに合わせて政府・日銀が円買い介入を実施したのではないかとの思惑が広がっています。今日の東京市場でもドル円が159円台に乗せると、神経質に円高方向に振れる動きが見られます。実弾介入だけでなく、ユーロ円などを含めたレートチェックの観測もあります。
神田財務官は介入実施についてノーコメントとしていますが、「介入は稀であるべき」とのイエレン米財務長官の言葉を引用し、日米当局が緊密に連絡を取り合っていることを示唆しています。介入の有無は日銀当座預金の増減要因や金融調節の数字と短資会社の予想額との差で推測できるとのことなので、報道を注視する必要があります。
介入の意図と米生産者物価指数(PPI)
もし今回の円買い介入が実施されたと仮定すると、これは160円超の円安・ドル高水準を容認できないというシグナルと解釈されるでしょう。行き過ぎた円安が日本経済に悪影響を及ぼす中で、米早期利下げ観測のタイミングに乗じてドル円相場を反転させたい意図が考えられます。
その意味で、今日の米生産者物価指数(PPI)の結果にも注目が集まります。円安阻止の動きを始めたばかりの中で、強い物価統計が出れば再び160円台が視野に入ります。逆に弱い物価統計が続けば、介入コストをかけずに円高・ドル安方向に進むことが期待されます。結果の発表は日本時間午後9時30分です。
本日の経済指標とイベント
本日の海外市場で発表される主な経済指標は以下の通りです:
- 米生産者物価指数(PPI)(6月)
- 米ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)(7月)
- カナダ住宅建設許可(5月)
ミシガン大学消費者信頼感指数は68.5と前回の68.2から改善する予想です。
(出所:みんかぶ)
トレード戦略
昨日の日本円買いの勢いは大きかったものの、行き過ぎた円安の巻き戻しの可能性もあり、日銀の介入があったかどうかの判断は難しい状況です。しかし、日銀介入の可能性が高いと見られています。
CPI発表直後にエントリーはできませんでしたが、米CPIの低下によりドル円の買いは入りにくくなりました。引き続きUSDの売りを狙っていく予定です。