パウエル発言の余波続くか—週明けはロンドン休場で薄商いに
先週末のパウエル発言を受け、市場は米金融当局が9月に利下げを開始するとの見方をほぼ完全に織り込んでいます。ただし、大幅な利下げ予測は後退し、現在は25bpの利下げが主流となっています。為替市場ではドルが売られ、ドル円は146円台から144円付近へ、さらに週明けには143.50円を割り込む水準まで下落しました。ユーロドルは1.11台前半から一時1.12台に達し、ユーロ円も162円台から160円台に下落し、円買いの圧力が強まりました。これは、植田日銀総裁がシナリオ通りに利上げを継続する姿勢を崩さないことが、日米金利差の縮小観測による円高を引き起こしたためです。
今後の海外市場では、英国市場がサマー・バンク・ホリデーのため休場となります。この中で発表が予定されている経済指標としては、ドイツのIfo景況感指数(8月)と米国の耐久財受注(7月速報値)が挙げられます。ドイツのIfo景況感指数は86.0と予想され、前回の87.0からの低下が見込まれています。米耐久財受注は前月比+4.9%と、前回の-6.7%からの回復が期待されていますが、輸送機器を除いた前月比では変動がないと予測されています。
また、デイリー・サンフランシスコ連銀総裁がブルームバーグTVに出演する予定であり、サマーホリデー終盤に差し掛かることから、ECB当局者などからの発言が出始める可能性も指摘されています。
その他、週末にはヒズボラとイスラエルの間で報復が報じられ、ウクライナがロシア領内への越境攻撃を行っていることもあり、地政学的リスクが注目される可能性があります。原油や金相場の動向にも注意が必要です。
週全体のイベントとしては、30日に予定されている米PCEデフレーターや米新規失業保険申請件数などが注目されています。これらの指標は、米金融当局が注目するインフレや労働市場に関連するものであり、9月の利下げ幅に影響を与える可能性があります。
現在、ドル円が大きく動いているため、戻り売りを狙う予定です。