円安進行、中国の景気対策への期待と植田総裁の発言が影響
連休明けの東京市場では、じりじりと円安が進んでいます。中国が景気対策に本腰を入れるとの期待感が高まり、原油や鉄鉱石などの商品価格が上昇。その影響もあり、ドル円は144円台に乗せる展開に。クロス円も上昇基調をたどっています。
また、植田日銀総裁が大阪経済4団体共催の懇談会で「政策調整には時間的な余裕がある」と発言。これは先週の決定会合後の見解を繰り返すものであり、この発言を受けて円売りが進行しています。ドル円やクロス円の上値追いが続く中、今後の動向が注目されます。
欧州市場の動きと各国当局者の発言に注目
この後の欧州・ロンドン市場でも、昨日の株高の流れを受けて買いが先行することが予想されます。リスク選好のムードが続く中で、ドル円やクロス円がどこまで上昇するかを注視したいところです。
ポイントは各国金融当局者の発言にあります。植田日銀総裁は、大阪での懇談会後に記者会見を予定しており、ここでも円売りの反応がみられるかどうか注目されます。特に、先週の決定会合後の発言との齟齬がないかが焦点となり、7月会合後のような市場混乱を避けるため、発言は非常に慎重になると見込まれています。
海外勢では、エストニア中銀総裁ミュラー、スペイン中銀新総裁エスクリバ、ドイツ連銀総裁ナーゲルなど、ECBの当局者が一連のスピーチを行う予定です。また、FRB理事のボウマン氏とクーグラー氏もそれぞれ経済見通しについて講演を行います。ボウマン理事は、先週のFOMCで唯一25ベーシスポイントの利下げを主張しており、その背景が詳しく語られる見込みです。
経済指標と注目イベント
本日予定されている経済指標には、ドイツのIfo景況感指数、ハンガリー中銀政策金利、米FHFA住宅価格指数、米S&Pケースシラー住宅価格指数、米コンファレンスボード消費者信頼感指数などが含まれます。特に、ドイツの景況感指数が低下する一方で、米消費者信頼感指数は上昇が見込まれており、ユーロ売り・ドル買いの流れが生まれるかどうかが注目されます。
今後の戦略
今週も引き続き方向感のない展開が続き、利益が乗っていたポジションが逆戻りしてしまう場面がありました。植田日銀総裁の発言で日本円売りが強まっており、ドル円でのエントリーは難しい状況です。
そのため、今後は日本円絡みの通貨を避け、米ドルに焦点を当てていく方針です。