米労働省の年次改定に注目が集まる中、本日23時に米労働省労働統計局(BLS)から基準改定値の速報が公表されます。この改定値により、2024年3月までの雇用者数が大きく下方修正されるとの観測が広がっており、市場ではその結果が大幅な利下げ期待につながる可能性が指摘されています。

大手金融機関の予想はさまざまで、ゴールドマンサックスは60万人から最大100万人の下方修正があると見込んでおり、ウェルズファーゴも最低60万人の修正を予測。一方、JPモルガンチェースは36万人とやや控えめな予想を示しています。このように見方が分かれているため、発表前には不安定な動きが予想されます。

通常の雇用統計では非農業部門の雇用者数は推計に基づいており、今回の改定は、全雇用者の95%をカバーする週ごとの失業保険税関連データを基にした「四半期雇用・賃金調査(QCEW)」によって行われます。市場の予測が幅広く分かれていることや、昨年の改定でも結果との乖離が見られたことから、発表まではドル円を含め神経質な動きが続くでしょう。

特に、100万人規模の下方修正があった場合、2024年3月までの月平均雇用者数は15.8万人増とされるものの、市場が大幅な利下げ期待に動くとドル売りが進む可能性があります。ドル円は144円台からさらに下げ、143円台も視野に入る展開となる可能性があります。

逆に、修正幅が予想より小さかった場合には、一気にドル買いに転じるリスクもあります。また、トランプ前米大統領が選挙戦に絡めて今回の改定値について言及していることもあり、市場の反応が一層神経質になることが予想されます。

本日は米労働省の年次改定が最大の注目ポイントであり、その結果に応じたUSDの動きを見極めて対応する予定です。

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