🌍 ドルと円がともに強含む複雑な地合い
中東緊張とFOMC通過後の市場は次なる手がかりを模索中
今週の為替市場は、ドルと円が同時に買われる“リスク警戒地合い”の様相を呈しています。
米ドルは、FOMC後も強さを維持し、ドルインデックスは10日線を上抜け、21日線トライの動きへ。背景にはイラン核施設への軍事介入の可能性が取り沙汰されていることや、パウエル議長のタカ派寄りの発言が挙げられます。
一方、クロス円では円買いの流れが鮮明に。特にポンド円やユーロ円などで下値を試す展開が見られており、市場の警戒感は依然根強い状況です。
🏦 FOMC:利下げペースの「変化なき据え置き」でも、ドルに支援材料
注目のFOMCでは、政策金利は予想通り据え置き。メンバーの金利見通しも前回と大きな変化なく、「年内あと2回利下げ」というスタンスが維持されました。
しかし、パウエル議長は関税がインフレを押し上げる可能性に言及し、市場では年内の利下げ織り込みが一時後退。
これにより、「リスク回避+利下げ後ずれ」=ドル買いの構図が成立しました。
💱 クロス円は不安定な展開に
円買い主導で軟調推移、ドル円は戻り基調
クロス円では円高圧力が強まり、ユーロ円・ポンド円・豪ドル円は軟調。
その中でドル円は下げ渋り、戻りを試す展開となっていますが、リスク警戒が続く中で明確なトレンドは形成されにくい状況です。
今夜は米国市場が「Juneteenth(奴隷解放記念日)」で休場となるため、値動きは限定的になる可能性が高いです。
🌐 注目の中銀イベント:ポンド、フランに波乱の可能性
ロンドン時間には複数の中銀イベントが集中しています。
🇬🇧 英中銀(BOE)政策金利発表
- 金利は4.25%で据え置きが有力視。
- 市場は年内あと2回の利下げを織り込み済み。
- 注目は9人の票割れ構成。前回は「5対2対2」で利下げ票が多数派でした。今回はそのバランス変化に注目。
- 弱含む英経済指標(雇用・GDP)が利下げ圧力を強めている。
🇨🇭 スイス中銀(SNB)政策金利発表
- 利下げが見込まれており、政策金利は0.00%への引き下げが予想。
- さらにマイナス金利導入の可能性も浮上。
- ただし中東情勢の緊迫化を背景に、安全通貨としての買いが残るため、下落は一時的な可能性も。
📢 本日の主な発言予定
- 🇪🇺 ラガルドECB総裁
- 🇫🇷 ビルロワ・ド・ガロー仏中銀総裁
- 🇩🇪 ナーゲル独連銀総裁
- 🇪🇸 エスクリバ西銀総裁
- 🇮🇹 デギンドスECB副総裁
各中銀トップがそろって発言予定となっており、為替市場の材料になりそうです。