ドル円は心理的な節目である160円を突破

今週のドル円は159円台から161円台へと上昇し、心理的な節目である160円を突破したことで市場に大きな影響を与えました。クロス円も上昇し、ユーロ円は172円台に達し、ユーロ発足以来の最高値を記録しました。この円安の動きにより、日銀のさらなる介入への警戒が高まっています。

今後の注目ポイント

① 米6月雇用統計とパウエルFRB議長の講演

7月2日に予定されているパウエルFRB議長の講演では、FRBが注目する5月のPCEデフレーター(6月28日発表)の見解が焦点です。また、6月のISM製造業・非製造業景気指数では、景況感だけでなく物価指数や雇用指数も注目されます。7月5日に発表される6月雇用統計は、失業率は4.0%で変わらないと予想されていますが、非農業部門雇用者数の増加幅は5月の27.2万人から18.5万人に減少する見込みです。事業所調査と家計調査のデータの乖離が話題となっており、6月のデータも詳細に確認が必要です。

② 豪5月CPIの上昇と利上げ観測

オーストラリア統計局が発表した5月の消費者物価指数(CPI)は前年比4.0%上昇し、4月の3.6%から加速しました。市場予想の3.8%も上回りました。この結果、11月までに25ベーシスポイント(bp)の利上げが予想され、確率は0%から60%に上昇しました。AUDは0.5%高となり、オーストラリアは利上げを行う数少ない先進国の一つになる可能性があります。

各通貨の注目ポイント

P.S.

最近、円相場が対ドルで約38年ぶりの安値を更新し、ドル円がどこまで上がるのか、介入はいつ来るのかという質問が増えています。現在のドル・円のオプション市場では、さらなる円安を見込む取引が活発です。オプションの行使価格を超えると円売りが加速し、日本の通貨当局による為替介入のリスクが高まります。

ドル円がじわじわと上昇すると、介入の正当性が問われるため、急騰時に介入が行われる可能性が高いです。ドイツ証券の小川氏によれば、「163円を超えた水準からオプションに絡む取引で円売りが加速しやすい」とのことなので、日銀の介入目安は163-165円程度と考えています。予測には不確定要素もありますが、介入を狙う場合は163-165円レベルでの急騰時を目安にすると良いかもしれません。

では、良い週末を!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です