今週の市場動向:トランプトレードによるドル高進行
今週は、トランプ次期米大統領の政策が市場の注目を集めました。関税、国内減税、拡張的な財政政策が掲げられ、共和党が政府・上下院を制する「トリプルレッド」の状況がその実現性を高めています。この影響でインフレ期待が高まり、米国債利回りが上昇、ドル高が進行しました。市場は「トランプトレード」が主導する展開となっています。
また、昨日のパウエルFRB議長の講演では、利下げに慎重な姿勢が示され、ドル高基調を後押ししました。
グローバル影響とドル高支援要因
トランプ政策に対する警戒感が高まり、貿易相手国の経済に悪影響を及ぼすとの懸念から、中国元、タイバーツ、メキシコペソなどの通貨に売り圧力がかかっています。欧州でも独連銀総裁がトランプ政策によりGDPが1%程度押し下げられる可能性を指摘。これを背景にユーロドルが下落し、側面からドル高を支える形となっています。
本日の注目指標:米小売売上高を中心に
本日の海外市場では以下の米経済指標が発表されます。
- ニューヨーク連銀製造業景気指数(11月)
- 小売売上高(10月)
- 前月比予想:+0.3%(前回+0.5%)
- 自動車除く前月比予想:+0.3%(前回+0.7%)
- 輸入物価指数(10月)
- 鉱工業生産指数(10月)
- 前月比予想:-0.4%(前回-0.3%)
- 設備稼働率予想:77.1%(前回77.5%)
- 企業在庫(9月)
特に、小売売上高は米国消費の堅調さを測る上で重要な指標です。一方、生産関連では鉱工業生産指数や設備稼働率が注目されます。予想では消費が堅調な一方で生産は弱含む見込みで、これが市場にどのように反映されるかがポイントです。
欧州と金融当局者の発言
欧州時間には、欧州委員会が経済見通しを公表します。さらにNY時間では以下の主要金融当局者の発言が予定されています。
- グールズビー・シカゴ連銀総裁
- パネッタ伊中銀総裁
- コリンズ・ボストン連銀総裁
- レーンECBチーフエコノミスト
- チポローネECB理事
- ウィリアムズNY連銀総裁
これらの発言内容によっては、市場に一時的な変動が起きる可能性があります。
市場のセンチメントとトレード方針
ドル買いの流れが継続していますが、本日は週末を迎えるタイミングで、一連の経済イベント後に調整が入る可能性も指摘されています。
- ドル円(USD/JPY):調整を見越して売りを入れましたが、タイミングが合わずストップアウトしました。
- 暗号通貨市場:調整が一巡しており、本日は買いが優勢になると想定しています。
本日の注目ポイント
**22:30発表の米小売売上高(10月)**に注目。この後の米ドルの値動きを中心に市場の反応を見極めていきます。