米雇用統計を前に、再びファンダメンタルズが主役に
~ドル安一服も、根底の利下げ観測は維持~
✅ 相場の焦点は「有事」から「経済」へ
中東情勢(米・イラン)の緊張が和らぎ、「有事のドル買い」ムードは後退。
現在の市場は再び、**米国の経済指標や金融政策(ファンダメンタルズ)**に注目を戻しています。
トランプ大統領の発言による影響は依然として無視できませんが、市場の反応は次第に鈍化。
不確実性はあるものの、センチメントは「指標と金利見通し」に回帰しています。
📌 本日の注目:6月ADP雇用統計
本日は米ADP雇用統計の発表が予定されており、明日の米雇用統計(NFP)の先行指標として注目が集まります。
指標 | 予想 | 前回(5月) |
---|---|---|
ADP民間雇用者数 | +9.8万人 | +3.7万人 |
- 今年1月の+18.3万人と比べると、依然として雇用回復の勢いは鈍い状況。
- 2025年の平均(約+10.3万人)と比較して、今日の結果が**“強いかどうか”**が見極められるポイント。
📅 明日の米雇用統計(NFP)予想
- 非農業部門雇用者数:+11.0万人(前回:+13.9万人)
- 平均賃金や失業率の変化にも注目。
→ ADPの結果次第では、明日への市場期待や不安が前倒しで織り込まれる可能性あり。
💱 為替市場の足元と本日の主な材料
為替市場では、ドル安トレンドが一服する流れに。
本日はややドル買い戻しの動きが見られるものの、
- 調整的な色が強く
- 明日の米雇用統計を控えたポジション整理の範疇と見られます。
🔍 本日予定されている主な経済指標・発言イベント
📊 経済指標
地域 | 指標名 | 時間(日本時間) |
---|---|---|
フランス | 財政収支(5月) | 未定 |
ユーロ圏 | 失業率(5月) | 18:00頃 |
米国 | MBA住宅ローン申請件数 | 20:00頃 |
米国 | チャレンジャー人員削減数(6月) | 20:30頃 |
米国 | 週間石油在庫統計 | 23:30頃 |
🗣 要人発言・イベント
ポルトガルで開催中の**ECB年次フォーラム「変化への適応」**では、以下の発言が予定。
- デギンドス(ECB副総裁)
- チポローネ(ECB理事)
- テイラー(BOE政策委員)
- レーン(ECBチーフエコノミスト)
- ラガルド(ECB総裁)による閉会スピーチ
→ 特に、スタグフレーション認識や利下げの持続性に言及があればユーロ相場に波及する可能性。
📝 戦略メモ:指標主導型の短期トレードが有効
- 本日のADP、明日のNFPを前に、イベントドリブンの短期取引が中心。
- 雇用指標が市場予想を下回れば、米利下げ観測が再燃 → ドル安継続の流れに。
- 一方で予想を上回れば、ドル買い戻しの波が広がる可能性も。
引き続き指標・発言・通商関連報道の三位一体で、神経質な相場展開が続きそうです。
💱 通貨ペア別 戦略&テクニカルサマリー(2025年7月2日)
💵 ドル円(USD/JPY)
テクニカル概況
- 現値:143.60付近
- 短期:戻り売り優勢
- 日足:トレンドレス(143.00〜145.00のレンジ)
戦略メモ
- 米雇用統計までは143円台での調整基調が継続か。
- 143.00がサポート、145.00がレジスタンス。
- 米指標悪化→円買い・ドル売り、で142円台前半の再トライも視野。
- 日銀審議委員(増氏)のタカ派発言次第では一時的な円買い強まる可能性。
💶 ユーロドル(EUR/USD)
テクニカル概況
- 現値:1.1760台
- 短期:買い地合い継続
- 日足:上昇チャネル上限接近(1.1800)
戦略メモ
- ECBフォーラムでのタカ派発言が追い風となり、買い継続。
- 1.1750をキープできれば、年初来高値更新(1.1850〜)の展開も視野。
- 1.1700割れはストップ誘発ゾーンとなり、下押しに注意。
- 欧州インフレ期待の変化にも注目。
💷 ポンド円(GBP/JPY)
テクニカル概況
- 現値:197.20台
- 短期:横ばい〜上値重い
- 日足:三尊形成の可能性あり(199円がネックライン)
戦略メモ
- BOEの利下げ観測が重しとなり上値重い。
- 英GDP改定値・建設PMIが弱ければ、195円方向への調整もあり得る。
- 一方でドル安が支えとなれば、下値は限定的。
- 198円台では利食い優勢となりやすい。
🇨🇦 カナダドル円(CAD/JPY)
テクニカル概況
- 現値:107.10台
- 短期:方向感乏しい
- 日足:MACDはデッドクロス警戒
戦略メモ
- 原油価格の変動とBOCの利下げ観測が交錯し、上下にブレやすい。
- トランプ政権による対カナダ圧力(デジタル税問題)で一時的にカナダドル売り警戒。
- 原油が続落なら105円台への下押しも。
- 108円台は戻り売り警戒ゾーン。
🇦🇺 豪ドル円(AUD/JPY)
テクニカル概況
- 現値:95.60台
- 短期:買い優勢
- 日足:上昇トレンド継続
戦略メモ
- 株高と停戦の安心感で豪ドル買い続く。
- CPIの鈍化→RBA利下げ期待がやや重しになるも、外部要因に支えられる。
- 96円乗せなら一段高の可能性。
- 94.80〜95.00は押し目買いゾーン。
🇿🇦 南アランド円(ZAR/JPY)
テクニカル概況
- 現値:7.74円付近
- 短期:買い戻し進行中
- 日足:反発トレンド形成中
戦略メモ
- 停戦によるリスク改善と原油安でランドは買い戻しの流れ。
- 米関税の適用期限(7月9日)を睨みつつ、構造改革への期待感もプラス材料。
- 7.80超えで年初来高値圏へ再突入の可能性。
- 7.60〜7.65は重要サポート帯。