📰 米雇用統計と独立記念日前の市場反応:波乱の兆しか、静寂の前触れか(2025年7月3日)
🧮 本日の焦点:非農業部門雇用者数(NFP)とそのインパクト
本日、米国6月雇用統計が通常より1日早く発表されます(21:30 JST)。米国独立記念日(7月4日)による休場を控えたためで、通常とは異なるタイミングと流動性の低下が、市場の反応を一層鋭敏にする可能性があります。
- NFP(非農業部門雇用者数)
市場予想:+10.6万人(前回:+13.9万人)
→ 労働需要の減退を示すが、完全な冷え込みではなく「穏やかな鈍化」との見方が主流。 - ADP雇用統計(昨日発表)
結果:▲3.3万人(予想:+14万人)
→ 予想外の減少で一時ドル売りが加速。NFPにも慎重な見方が広がる。 - その他項目
・失業率:4.3%(前回:4.2%)
・平均時給:前月比 +0.3% / 年比 +3.8%(ともに鈍化予想)
・労働参加率:62.4%(前回と同水準)
総じて、労働市場は「減速しつつも崩れていない」構図。NFPが予想を大きく下回れば、利下げ期待が一段と強まり、ドル売りが再燃する可能性もあります。
🧭 米独立記念日による短縮取引と週明けへの影響
本日午後は米国債市場などが短縮取引に移行し、明日からは実質3連休となります。そのため、雇用統計後の値動きは一時的に大きくなった後、急速に収束する可能性があります。
ただし、市場予想を大きく裏切る結果となれば、リスク資産や為替市場への影響は週明け(7月7日以降)まで継続するシナリオも視野に入ります。
📊 同時発表・関連経済指標と国際イベント
🇺🇸 米国経済指標(21:30 以降に集中)
- 貿易収支(5月):赤字幅拡大(予想:▲710億ドル)
- 新規失業保険申請件数:雇用統計との乖離に注意
- ISM非製造業指数(6月):前月 53.8 → 予想 53.0
- 製造業新規受注・耐久財受注(5月):設備投資の動向確認
🇨🇦 カナダ関連
- カナダ国際商品貿易(5月)も米国と同時発表。
→ 原油市況と連動しやすく、CAD/JPYの変動要因に。
🌍 欧州&中東・新興国関連指標
- ユーロ圏/英国:非製造業PMI確報値(6月)発表
- トルコ:CPI/PPIが公表予定。高インフレ持続の影響を警戒。
- 英中銀(BOE):インフレ調査・信用状況報告を発表。
また、ECBは6月5日開催分の理事会議事録を公表。今後のユーロ圏のスタンスに注目が集まります。
🗣 発言イベント
- ボスティック・アトランタ連銀総裁
→ 金融政策に関する講演と質疑応答あり。利下げ容認姿勢か否か注目。
🔍 市場戦略のポイント(短期〜週明け視点)
- **NFP結果と市場の“解釈”**がドル相場を左右。想定より強ければドル買い反発、弱ければドル安継続へ。
- 週明けは、ドル円や豪ドル円でギャップ発生の可能性も。ポジション調整と週明け窓開けに注意。
- **雇用統計→ISM→FOMC議事録(来週)**と、ファンダメンタルズ重視の展開が続く。
✅ 本日の注目テーマ(2025年7月4日 金曜)
📌 米・非農業部門雇用者数(NFP)発表:21:30
📌 ドル安調整 vs 労働市場の実力
📌 米国は3連休入り、短期的ボラティリティ急拡大の可能性
💵【USD/JPY|ドル円】
現在値:143.12(7/4 18:00 JST時点)
🔍 テクニカル概要:
- 短期:戻り売り優勢(144円が重い)
- 中期(日足):下降トレンド継続、サポート142.50付近
- 上値抵抗:144.00、144.80
- 下値支持:142.50、141.80
✅ 戦略メモ:
- 本日のNFPが強ければ144円台へリバウンドも視野。ただし、週明けにかけての窓埋めには警戒。
- 弱い雇用統計であれば、142円割れ試しも。
💶【EUR/USD|ユーロドル】
現在値:1.1748
🔍 テクニカル概要:
- 短期:押し目買い継続、MA20を下支えに上昇中
- 中期(日足):ユーロ高トレンド強め、次の節目は1.1800
- 上値抵抗:1.1800、1.1850
- 下値支持:1.1700、1.1675
✅ 戦略メモ:
- NFPが弱ければ1.18台乗せ→1.1850トライへ。
- 欧州経済の回復基調が維持されれば、ドル主導でのユーロ高持続も視野に。
💷【GBP/JPY|ポンド円】
現在値:183.79
🔍 テクニカル概要:
- 短期:調整局面、183円前半での下支え強い
- 中期(日足):MACD弱含みも、184円台回復で再強気
- 上値抵抗:184.30、185.00
- 下値支持:183.00、182.40
✅ 戦略メモ:
- BOEの利下げ観測と米ドル動向に板挟み。
- 本日NFPが弱ければポンド円上昇余地あり。
- 指標後は流動性低下に伴い、スパイク的値動きにも注意。
🧭【まとめ|全体展望】
- 本日の米NFPは“中立やや弱め”の結果予想。ADPがネガティブだっただけに、やや市場は悲観バイアス。
- ドル円は戻り売り地合いが継続中。143円台は一時的に保っているが、NFPの結果次第で142円台へ再突入も。
- ユーロとポンドはドル主導の動きが顕著。強いユーロ、重たいポンドという構図。
📝【戦略メモ】
- 米雇用統計の反応は“第一波”に注意。ポジション偏重により急騰・急落→逆戻しの可能性
- 流動性の薄さ(祝日前&短縮取引)を利用した投機的動きに注意
- 週明けの窓開けリスクも含め、損切りラインはタイトに管理