💱 米PCE価格指数に注目、インフレ見通しが焦点
本日は8月の最終取引日。今週は相反する材料が相場に交錯し、為替は方向感を欠く展開が続いています。
- ドル売り要因:トランプ大統領がクックFRB理事を解任しようとした件が、中央銀行の独立性に疑念を投げかけ、ドルに下押し圧力。
- ドル買い要因:米GDP改定値(Q2)が+3.3%と予想を上回り、個人消費・純輸出・設備投資が押し上げ。加えて新規失業保険申請件数も減少し、米経済の底堅さを示唆。
ただし市場は依然として9月25bp利下げを約85%織り込み済み(CMEフェドウォッチ)。
📊 本日の注目指標(米国中心)
- 米個人所得・支出(7月)
- 米PCE価格指数(7月)
- 総合:前年比 +2.6%(前回同水準)
- コア:前年比 +2.9%(前回 +2.8%)
→ インフレの粘着性が意識されるか、利下げ思惑を強めるかでドルの反応が分かれる見通し。
- 米卸売在庫速報(7月)
- シカゴPMI(8月)
- ミシガン大消費者信頼感指数・確報(8月)
🌍 欧州サイドの動き
- ドイツ各州CPI(8月)
- バイエルン州:+2.1%
- NRW州:+2.0%
- ザクセン州:+2.2%
- バーデン=ヴュルテンベルク州:+2.5%
→ 予想以上の伸びを示す州が多く、ユーロは底堅い展開。
→ 今夜21時に全国版CPI発表予定、上振れならユーロ支援に。
📌 市場の視線は「米雇用統計」へ
- 来週末の**米雇用統計(NFP)**が最大イベント。
- 前回は雇用者数の大幅下方修正が市場を揺らし、統計の信頼性自体に疑念を残した。
- 今回も労働市場の弱さが示されれば、年内3回利下げシナリオが一気に強まる可能性。
✅ まとめ
- 本日の米PCE価格指数は「インフレ持続か、利下げ加速か」を測る鍵。
- 結果次第でドルは一時的に振れやすいが、市場の本命は来週の米雇用統計。
- ユーロは独CPIの強さを背景に堅調さを維持。
- 為替全体としては「材料待ちの調整相場」が続き、月末フローで上下が荒れる場面に注意。
💹 通貨ペア別 想定レンジ
通貨ペア | 想定レンジ | コメント |
---|---|---|
USD/JPY | 146.00 ~ 147.80 | PCE結果次第で方向感変化。下抜けなら145円台試す動きも。 |
EUR/USD | 1.1580 ~ 1.1740 | 独CPI支えで底堅い。米PCE弱ければ1.18台試す余地。 |
GBP/USD | 1.3420 ~ 1.3560 | 英経済の弱さはあるが、米指標次第で1.35台回復シナリオ。 |
EUR/JPY | 171.00 ~ 172.80 | ユーロ底堅さ+円売りで高値維持。172.50突破なら上伸余地。 |
GBP/JPY | 197.50 ~ 200.00 | 200円が心理的節目。米ドル動向に連動しやすい。 |
AUD/JPY | 94.50 ~ 96.50 | 豪CPI弱さで上値重い。95円割れなら売り優勢。 |
CAD/JPY | 105.80 ~ 107.80 | CPI下振れと原油安が重し。106円割れ継続なら弱気基調。 |
✅ まとめ
- ドル円はPCEが強ければ一時的な戻り、弱ければ145円方向試す展開。
- ユーロドルは独CPIで底堅く、ドル安局面では1.18台トライ余地。
- ポンド円は200円を試すかが焦点、ただし財政・景気懸念で上値は限定的。
- 資源国通貨(AUD/CAD/ZAR)は対ドル・対円ともに外部要因(原油、中国、米金利)次第で振れやすい。