✅ ドル買い加速、円とユーロの売りが連鎖 政治主導の相場色強まる
💵 ドル高地合い続く、円売りとユーロ売りが同時進行
高市新政権の誕生をきっかけに、為替市場ではドル円が150円を突破し連日の上昇。
クロス円も軒並み上値を拡大し、円売り優勢の地合いが続いている。
背景には、日銀の利上げ観測が後退し、金融緩和の長期化が意識されたことがある。
加えて、株価上昇が投資家心理を押し上げ、円キャリートレード再燃の動きも見られる。
一方、ユーロはフランス政局の不透明感が重石となり、ユーロドルは下値を探る展開。
仏債の売り拡大でユーロ圏金利に歪みが生じ、欧州不安が再浮上している。
ポンドも財政規律への懸念が根強く、相対的にドルの独歩高が際立つ形となった。
🏦 米国は「データ空白」のまま、FOMCも静観姿勢
米政府機関の一部閉鎖により、雇用統計など主要データの公表が停止状態。
FRBは政策判断の材料を欠き、利下げ・利上げのいずれにも踏み切れない。
市場は「データが止まったアメリカ」を象徴するように、手探りの相場展開を強いられている。
🪙 金(ゴールド)急伸、ドルの覇権リスクを映す動き
ドル高にもかかわらず、金相場の上昇が止まらない。
背景には、米財政への不安と、各国中銀の外貨準備多様化(脱ドル化)がある。
金価格は史上最高値圏を維持し、安全資産としての買いと、
「ドル支配の限界」を意識した資金シフトが進行している。
⚙️ 焦点:介入なければ“慣性円安”続行へ
日銀・政府が明確な円買い介入に動かない限り、
円安は慣性のまま続く可能性が高い。
市場では、次の節目として152〜153円台を視野に入れる声も出ている。
ただし、実弾介入や口先牽制が出れば、一時的な反落は避けられない。
📅 この後の注目スケジュール
経済指標
- 米MBA住宅ローン申請指数(9/27〜10/3)
要人発言
- エスクリバ(スペイン中銀総裁)
- ミュラー(エストニア中銀総裁)
- エルダーソン(ECB理事)
- ムサレム(セントルイス連銀総裁)
- バー(FRB理事)
- ピル(英中銀チーフエコノミスト)
- カシュカリ(ミネアポリス連銀総裁)
その他イベント
- 米10年債入札(390億ドル)
- FOMC議事録(9月会合)公表
- 中国市場は引き続き大型連休で休場
💹 現在の市場水準(ロンドン時間)
通貨・指数 | 現在値 | コメント |
---|---|---|
USD/JPY | 152.90 | ドル買い優勢、介入警戒ライン目前 |
ドル指数 | 98.90(+0.33%) | 8月以来の高水準、ユーロ安も寄与 |
📊 総括
為替市場は、政治と金融政策の空白地帯を漂う**「政治主導・データ欠落型のドル高相場」**へ。
円売り・ユーロ売りに支えられたドルの独歩高が続くなか、
注目は政府・日銀がどの段階で行動に出るか――その一点に絞られている。