✅ 米中対立再燃でリスク警戒、パウエル講演とドル円の方向感に注目
🌏 米中対立が再燃、リスク回避ムードが再び台頭
米通商代表部(USTR)が301条調査を再開すると発表し、中国政府が強い対抗姿勢を示したことで、
市場では午後にかけてリスク回避の動きが加速した。
トランプ大統領は先週末、追加関税を示唆した後に「中国との関係は良好」と発言し一時的に安心感を与えたものの、
中国側の報復姿勢が伝わると、再び緊張感が高まった。
米中摩擦の再燃が世界景気への不安を呼び、株式・為替ともに慎重な取引が続いている。
💴 為替:ドル円は戻り売り優勢、152円台で上値重く
ドル円は先週の147円台前半から一時152円台半ばまで急伸したが、
週明けは戻り売りに押されて152円台前半で反落。
151円10銭前後が当面のサポートとして意識されている。
ロンドン時間には米10年債利回りが4.01%から4.06%へ小幅上昇し、
一時152円台を回復。
ただし、ドル買いの勢いは限定的で、上値では売り圧力が続く。
ユーロドルは1.1540台まで軟化、
ポンドドルは弱い雇用統計を受けて1.3250台まで下落している。
🗣 パウエルFRB議長講演が今夜の焦点
このあと、パウエルFRB議長が全米企業エコノミスト協会(NABE)年次総会で講演予定。
テーマは「経済見通しと金融政策」。
米政府機関閉鎖の影響で経済統計の発表が滞る中、
市場では年内2回の利下げ織り込みが優勢。
議長が慎重姿勢を示せばドル買いが再燃する可能性がある一方、
ハト派的なトーンが強ければドル安方向へ振れる可能性もあり、
今夜の発言が短期の方向性を左右する分岐点となりそうだ。
💷 英雇用指標の悪化でポンド売り優勢
英国の雇用統計は失業率上昇と保険申請件数増加を示し、予想を下回る結果に。
ポンドは対ドル・対円ともに下落基調で、
市場ではBOEの年内利下げ観測がじわりと拡大している。
💹 ロンドン市場サマリー
指標・通貨 | 現在値 | コメント |
---|---|---|
USD/JPY | 152.00(安値151.62/高値152.20) | 戻り売り継続、152円台前半で推移 |
EUR/USD | 1.1543 | ユーロ軟調、ドル買い戻し圧力 |
GBP/USD | 1.3255 | 雇用統計悪化でポンド売り優勢 |
米10年債利回り | 約4.03%前後 | 小幅上昇、ドル下支え要因 |
✅ 総括
米中対立の再燃が市場の不安心理を刺激する一方、
ドル円は上値の重さを残しつつも152円台を維持。
パウエル議長の講演が今後のドル方向性を決定づける可能性が高く、
「発言待ちの静かな緊張感」がロンドン・NY両市場を包んでいる。