【トランプ主導の通商外交、為替相場は短期的なノイズに警戒】
― 米中対話は空振り、日米協議には“演出要素”、トレーダー心理は方向感模索へ ―
■ 地政学・政治リスク概況:政策の“不確実性”が最大リスク
今週の相場は、トランプ政策を軸としたヘッドラインリスク主導の展開が続いています。
- 中国:「条件付きで交渉再開」報道 → 条件が非現実的とされ実質無風
- 日米通商協議:トランプ大統領がサプライズ参加し、儀式的な和やかムードで初日終了
→ 為替への直接言及なし → アルゴ主導の“円買い巻き戻し”でドル円は142円台後半へ反発 - ただし:今後の進展次第では、日本政府に為替是正圧力が及ぶリスクは残存
📌 市場の心理は「今は無風、だが嵐はまだそこにある」という慎重スタンス
■ 本日注目:ECB理事会とラガルド総裁会見
イベント | ポイント | トレードへの影響 |
---|---|---|
ECB政策金利発表(20:15) | 市場は25bpsの利下げを9割以上織り込み済み | 利下げ実施は「材料出尽くし」としてユーロ買い戻しが起こる可能性 |
ラガルド総裁会見(20:45) | トランプ関税批判・インフレと成長見通しが焦点 | 明確なハト派発言がなければ、ユーロは乱高下後に買い優勢の展開も |
🧠 ラガルド総裁は市場をミスリードする傾向があるため、第一波の動きでポジションを深追いしないのが得策です。
■ ドル円:材料難のなかで不安定なテクニカル主導
- 日米通商協議に“円安けん制”がなかったことで142円台後半まで反発
- ただし、下値の142.00〜142.10が崩れると再び円買いが加速するリスク
- トランプ発言が為替に言及するリスクは依然警戒されている
■ 本日の主な経済指標(日本時間)
時刻 | 指標 / イベント | 通貨 | 市場予想 | 注目度 |
---|---|---|---|---|
20:15 | 🇪🇺 ECB政策金利 | EUR | -0.25%引き下げ | ★★★★★ |
20:45 | 🇪🇺 ラガルド会見 | EUR | 今後の利下げ余地を探る | ★★★★★ |
21:30 | 🇺🇸 米住宅着工件数 | USD | +1.45M(年率) | ★★★☆☆ |
21:30 | 🇺🇸 失業保険申請件数 | USD | 21.5万件 | ★★★☆☆ |
23:00 | 🇺🇸 フィリー連銀景況感指数 | USD | -1.5 | ★★☆☆☆ |
深夜 | 🇺🇸 米企業決算(ネットフリックス、アメックスなど) | 米株・USD | サプライズ材料となる可能性 | ★★★☆☆ |
■ 本日の為替戦略:イベント主導のボラティリティに備える一日
通貨ペア | 戦略 | 注目レベル |
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USD/JPY | 戻り売り(アルゴ後の反発待ち) | 143.30〜143.50に戻り目線。141.80で利確目標 |
EUR/USD | イベント後の押し目買い | 利下げ後の1.1350タッチからの押しを拾う形。ストップ1.1280 |
GBP/USD | 維持も上値限定的 | CPI低下を無視した強さに乗るが、1.3350は売り厚めゾーン |
EUR/JPY | イベント後の急変動に注意 | 一時的にボラ上昇。ECB後の値動きに逆張りは危険 |
GOLD(XAU/USD) | レンジ拡大 | リスク回避が継続するなら2400ドル超え再試行へ |
✅ 結論:市場は“政治で動き、政策で荒れる”。ECB後は瞬間的ノイズに注意
- 🎯 米中・日米通商の交渉は進展なし。演出に市場は一喜一憂
- 🎯 ECBは“利下げ=ユーロ売り”ではなく、“利下げ後の会見次第”で逆の動きも
- 🎯 ドル円はヘッドライン・アルゴ主導で上下する“非常に危うい地合い”