【トランプ関税の“毒気”やや後退、ドル安基調も落ち着きの兆し】
― パニックモードは一服。次の焦点は各国との交渉フェーズへ ―
■ 市場センチメント:値動きは一服も、ボラティリティは依然高水準
今週に入り、トランプ関税をめぐる“攻撃性”が一部緩和され、為替・株式ともにリスクプレミアムの一部巻き戻しが進んでいます。
- ドル円は短期的な円高局面を脱し、ボラティリティ(1週)は15%台まで低下
- 米国はスマホ・半導体関連を関税対象から除外するなど、“選別型関税”にシフト
- 自動車分野には支援的姿勢を示すなど、交渉余地の残る柔軟化戦略が見えてきた
📌 現在の市場は「全面対立」から「外交戦略への移行」という局面。
→ 極端なパニックやフローは減少傾向だが、交渉進展がなければ再び逆流リスクあり
■ 通貨別のテーマ:ポンドは買い優勢、円はまだ下値に警戒を
- ポンド:バンス米副大統領の「英米FTAの可能性高い」発言で上昇
→ GBP/USD・GBP/JPYともに押し目買いが優位な地合い - 円:ドル円の急落は止まったが、日米通商協議の余波で円高圧力が再燃する可能性あり
→ 145円〜146円台では反発限定的。突発的ヘッドラインに注意
■ 注目経済指標(本日・日本時間)
時刻 | 指標 | 通貨 | 市場予想 | 注目度 |
---|---|---|---|---|
21:30 | 🇨🇦 カナダCPI(3月) | CAD | 前年比 +2.9%(前回 +2.8%) | ★★★★☆ |
21:30 | 🇺🇸 米輸入物価指数(3月) | USD | +0.2% | ★★☆☆☆ |
21:30 | 🇺🇸 NY連銀製造業景気指数(4月) | USD | -13.5(前回 -20.0) | ★★★☆☆ |
時間未定 | 🇩🇪 ZEW景況感指数(4月) | EUR | 10.0(前回 51.6) | ★★★☆☆ |
🧠 補足メモ:
- カナダCPIは「BOC利下げ観測」への影響が大きいため、予想を上回ればCAD買いが加速しやすい構造
- ZEW指数は大幅悪化予想。関税問題を反映し、ユーロ売り材料になる可能性あり
■ 注目イベント・発言
イベント | ポイント |
---|---|
🇪🇺 ECB銀行貸出調査(BLS) | 銀行セクターの融資態度を通じて、利下げ圧力の強弱を測る手がかりに |
🇺🇸 米主要企業決算 | J&J、シティ、バンカメなど発表 → 株式市場のリスク選好に影響 |
📉 中央銀行関係者の講演予定は少なく、本日はマーケットの自律反応が主体に |
✅ トレード戦略まとめ(4/16)
通貨ペア | 戦略 | 注目ゾーン |
---|---|---|
USD/JPY | 戻り売り | 146.00〜146.50は重さ継続。サポート144.80前後 |
CAD/JPY | 指標次第で買い反転へ | CPIが予想上振れなら一気に106円台試しへ |
GBP/USD | 押し目買い | 英米FTA期待で下値堅め。1.2630〜1.2680は買い場 |
EUR/USD | 1.1050を基準に上下へ展開 | ZEW次第で1.10割れも視野に入る |
AUD/USD | レンジ型対応 | 中国経済鈍化で90.60〜91.20の狭いボックスが続く想定 |
🧭 結論:波風は収まりつつあるが、材料次第で再燃余地あり
- ✅ 市場は“緊張のピーク”から“交渉フェーズ”へ移行中
- ✅ ボラティリティは低下傾向だが、米CPI・CPI関連の通貨(金利見通し)には依然鋭敏
- ✅ 短期トレードは押し目・戻り狙いで柔軟対応を基本とする週