【ドル円150円台定着なるか?ドル相場は「転換期」入りの兆し】
■ ドル安トレンド一巡、市場は「ドル高フェーズ」へ移行中
年初から続いてきたドル安基調が足元で一服し、現在は**ドル高へとシフトしつつある過渡期(=移行期)**と捉えられる。トランプ前大統領がかつて述べた「移行期」という表現が、今のドル相場にも当てはまる展開だ。
ドル円は先週から150円台にしっかりと乗せ、円安・ドル高水準が定着するかが次なる焦点。テクニカル的にも、150.00を起点とした上値追いへの意識が高まりつつある。
■ PMI速報でドル円急伸、円買いポジの巻き戻しが誘発か
昨日のNY市場では、米3月PMI速報値の発表をきっかけにドル円が150円前半から150円後半へと急騰。
注目されたPMIの中身は以下の通り:
- 製造業:市場予想以上の下振れ(50割れ)
- サービス業:予想を上回る回復
- 総合指数:51.6 → 53.5(市場予想を上回る)
このように強弱入り混じる内容ではあったが、総合的には米景気の底堅さが意識され、ドル買い反応が優勢に。
加えて、これまで積み上がっていた円買いポジションの巻き戻しが重なり、ストップ狩りを巻き込む形でのドル円急伸に繋がったとの見方が濃厚。
足元の市場では、ファンダよりもポジション構造とテクニカルに対する感応度が高いことを確認しておきたい。
■ 今晩は米住宅関連・消費者信頼感など指標集中
本日(日本時間23:00)の米経済指標:
- 住宅価格指数(1月)
- S&Pケースシラー住宅価格(20都市)
- 新築住宅販売件数(2月):68.0万件(予想) vs. 65.7万件(前回)
- CB消費者信頼感指数(3月):94.0(予想) vs. 98.3(前回)
- リッチモンド連銀製造業指数(3月)
予想ベースでは住宅は強め、消費者マインドはやや軟化。市場がどちらに反応するかでドルの方向感が試される局面。前回同様に、結果よりも反応が重要。
■ 欧州・新興国指標も複数、注目はドイツIFO景況感
米指標以外の主な経済指標:
- ドイツIFO景況感指数(3月):86.7(予想) vs. 85.2(前回)
- トルコ設備稼働率(3月)
- 南アBER消費者信頼感(Q1)
- 香港貿易収支(2月)
- ハンガリー中銀政策金利(3月)
ドイツIFOは市場心理の先行指標として注目。財政改革法案の成立を好感した底打ち観測が広がれば、ユーロクロスに影響する可能性も。
■ 当局者発言イベントも集中、流動性警戒
本日予定されている中銀関係者の発言:
- 欧州:カジミール(スロバキア)、ミュラー(エストニア)、ホルツマン(オーストリア)、ブイチッチ(クロアチア)、ナーゲル(ドイツ)
- 米国:クーグラー(FRB理事)、ウィリアムズ(NY連銀総裁)
その他:米2年債690億ドル入札
ボラティリティ上昇要因が重なるため、指標発表直前後の薄商い時間帯は逆張りを避けるのが無難。
■ 戦略:円売り継続方針、CHF/JPYなどクロス円に妙味
想定通り、円買いの巻き戻しが本格化。今後も円売りバイアスは継続と判断。
本日はクロス円の一角、CHF/JPYに買いエントリー済み。
ファンダとテクニカルの両面から、CHF/JPYは上昇余地を残しており、ストップロス設定に留意しつつポジション維持予定。