【ドル売り+日米為替協議──今週のドル円は“二重圧力”に要警戒】
― トランプ関税による米ドル安圧力に、円安是正論が加わる可能性 ―
■ ファンダメンタルズ背景:ドル売り継続中、日米協議が追い打ちとなるか
今週のドル円相場は、**「米国要因によるドル売り」+「円高圧力の可能性」**という2つのテーマに直面しています。
🔻 ドル売り圧力の背景
- トランプ政権による相互関税強化が米景気にブレーキ
- トランプ氏の発言が市場を揺らす“不確実性リスク”として持続
- 米国債利回りが反発しても、ドル買いにはつながっていない構図が継続中
🔺 円高圧力の可能性:日米通商交渉に注目
- 4月17日より、赤沢再生相とベッセント米財務長官による貿易協議開始
- 加藤財務相との会談報道もあり、「円安是正圧力が来るのでは」との市場の思惑が広がる
- 内容次第では、**実質的な「介入的牽制発言」**となり、ドル円は一段安も想定される
■ 為替市場の資金フロー:ドル安+リスク回避通貨が選好されやすい地合い
📊 1ヶ月ベースの通貨強弱(対ドル):
強い通貨 | 中間 | 弱い通貨 |
---|---|---|
スイスフラン(CHF) | 円(JPY)、ユーロ(EUR) | ポンド、カナダドル、豪ドル、NZドル |
📈 直近1週間ではやや変化:
- 豪ドル・NZドルが買われ始めており、クロス取引が活発化
- 円はユーロよりもやや出遅れ傾向。ただ、日米交渉を機に再び主役に浮上の可能性
■ ボラティリティ指標:ドル円の短期変動性が急上昇
- 1週間物オプション・インプライド・ボラティリティは先週末22%に急伸後、現在は18.4%
- 昨年8月初頭のピーク(22.9%)と近い水準で、パニック的円高の再発リスクも意識され始めている
■ 今後の注目材料(海外時間ベース)
日付 | イベント | 注目度 |
---|---|---|
4/15(火) | 日米通商交渉スタート | ★★★★★ |
4/15〜16 | 米NY連銀インフレ期待、加卸売売上高など | ★★☆☆☆(影響限定) |
4/18(木) | ECB理事会 | ★★★★☆(ユーロ・リスク要因) |
🗣️ 要人発言:
- ウォラーFRB理事、ハーカー連銀総裁が講演予定
→ 米金融政策の“様子見姿勢”が強まれば、利上げ期待後退→ドル売り要因
✅ トレード戦略まとめ:ドル円「戻り売り」軸、ボラ上昇に備えつつ慎重対応
📌 戦略シナリオ:
通貨ペア | 戦略 | 注目ゾーン |
---|---|---|
USD/JPY | 戻り売り優勢 | 146.00〜146.40にレジスタンス意識。短期目標144.00割れ |
EUR/USD | 押し目買い継続 | ECB利下げ観測が材料薄。1.1100〜1.1150上抜けに注目 |
CHF/JPY | スイス強含み | ドル主導ではなくクロス円でのCHF買いが加速中 |
AUD/JPY | リバウンド限定的 | 関税猶予も上値重い。90円台は戻り売り水準か |
🔍 総括
テーマ | ポイント |
---|---|
トランプ関税 | ドル売りトレンド継続の主因に |
日米通商交渉 | 為替条項に注目。円高圧力の火種 |
ボラティリティ | パニック再燃の水準まで上昇中。短期筋も注視 |
戦略方針 | 基本は「ドル売り+円買い」主軸。材料反応型の柔軟対応が必要 |