トランプ関税、いよいよ発表へ
― 一時的なリスク警戒は継続も、“織り込み済み”なら事実買いも ―
■ 市場の注目は「日本時間3日午前5時」のトランプ関税発表に集中
現在、マーケットは**トランプ前大統領による関税政策の正式発表(3日午前5時)**を控え、様子見ムードが広がっています。
直近では、
- ワシントン・ポスト報道:「全輸入品に20%関税を検討」 → リスク回避で円買い・株安
- 続報:「一部の国に一律関税、関税率は20%未満」 → 警戒感は一服
- ベッセント米財務長官:「今回の関税発表は“上限”であり“最大額”になる」
と、断片的でブレのある報道が続いており、市場も神経質に振り回されている状況です。
■ トランプ氏の発信パターンから「極端なサプライズは出にくい」か
トランプ氏は過去にも、初動で強硬姿勢 → 緩和措置や猶予期間を設ける → 相手の反応を見て再び圧力という手法を繰り返してきました。
このパターンを踏襲するならば:
- 発表内容はすでに報道された範囲内 or ややトーンダウン
- 事前にポジションを軽くしていた層が、発表後に買い戻しに動く
- 「悪材料出尽くし」と判断されれば、ドル・リスク資産ともに反発の流れ
となる可能性が高く、現時点では「事実で買われる展開」への備えが戦略上重要といえます。
■ 本日発表の米経済指標は材料になりにくい構図
【注目指標】
- 米ADP雇用統計(3月):+12.0万人(予想) vs +7.7万人(前回)
- 米耐久財受注(2月確報)
- 米製造業新規受注(2月)
- MBA住宅ローン申請指数
→ ADPが予想を大きく上回ればドル買いにつながる可能性もあるが、トランプ関税発表前後に吸収される公算が高い。指標はどれも短命な反応に留まりやすいと見られる。
■ 要人発言は豊富だが、関税次第で霞む可能性も
【本日の講演予定】
- シュナーベル(ECB理事)
- エスクリバ(スペイン中銀総裁)
- ホルツマン(オーストリア中銀総裁)
- レーン(ECBチーフエコノミスト)
- クーグラー(FRB理事):トランプ発表後に「インフレ期待と金融政策」テーマで講演
→ いずれも内容次第ではボラ要因となり得るが、主役はトランプ関税。講演内容の注目度は関税の方向性によって大きく変わる。
■ トレード戦略:発表後の方向性確認を最優先、事実買いへの備えを
現時点では、市場全体がイベントリスクを前にポジション調整を進めている状況。
方向感のない値動きが続いている中で、無理なポジション構築はリスクが大きい。
📌 戦略方針:
- 関税発表前:静観・ポジション軽めを維持
- 関税発表後の初動に過剰反応せず、価格が落ち着いてから戻りor押しを拾う
- 悪材料出尽くし → ドル買い・株買い・円売りの流れにシフトする可能性大
- ゴールド(XAU/USD)や株価指数(S&P500/NASDAQ)もリスクイベント後の方向性を見てから仕掛ける方針
📌 まとめ:
項目 | 現状・見通し |
---|---|
トランプ関税発表 | 日本時間3日5時。内容次第では「事実で買い戻し」も視野 |
市場心理 | 警戒モードだが、ポジションはすでに軽め |
経済指標 | 本日のADP含め、反応は限定的になりやすい |
戦略 | 発表後の値動きを確認してからエントリー。方向性に乗る形で反応狙い |