【トランプ関税、想定を超える内容でリスク回避再燃】
― 円・スイス・ユーロへ資金シフト、ドル売り鮮明 ―
■ トランプ関税発表で市場急変、ドル円は一時146円台へ急落
警戒されていたトランプ前大統領の「相互関税」発表が、予想以上に厳しい内容だったことで、市場は一気にリスクオフモードへ転換。
- 発表直後、一律10%の基本関税と報じられた際は一瞬ドル買いで反応
- しかしその後、「国別に高関税を適用」との報道で市場センチメントが急激に悪化
- 株価は全面安、米債利回りは急低下、ドル円は150円台から一時146円台まで下落
→ マーケットは単なる一律関税ではなく、“選別的・報復的色合い”の強い措置に対して強く反応した形。
■ 今回の局面、ドルはリスク回避の“受け皿”にはなっていない
通常であれば「株安=リスクオフのドル買い」という流れになりやすいが、今回の相場では:
- ドル指数(DXY)は約6カ月ぶりの安値圏へ下落
- 背景には「トランプ関税が米経済そのものの成長リスクを高める」という認識の広がり
- 結果として、“米国売り”の形でドルもリスク回避の対象に
→ 現在の相場は、「ドル安・株安・債券高(利回り低下)・円買い・スイス買い・ユーロ買い」が主流の流れ。
■ 欧州時間にかけてもボラティリティ継続、リスク回避の収束は見えず
このあとの欧州~NY市場でも、株安主導でリスク回避フローが続く可能性が高い。今後は特に以下の点に注目:
- 欧州・英国がどのような対抗措置(報復関税)を打ち出すか
- 報復の応酬=貿易戦争の長期化への懸念が、マーケットの不安定要因として残り続ける
→ 底打ち確認なしでの逆張りは危険ゾーン、戻り売り・逃避通貨買いが基本路線。
■ 本日の経済指標・イベント:指標よりも“政治ドライバー”が主役
【注目経済指標】
- 🇨🇭スイスCPI(3月)
- 🇹🇷トルコCPI(3月)
- 🇪🇺 欧州主要国・英・米の非製造業PMI(3月確報)
- 🇺🇸 米貿易収支(2月)/新規失業保険申請件数
- 🇨🇦 カナダ国際商品貿易(2月)
→ 通常なら注目度の高い米ISM非製造業指数なども、関税ショックの前では一時的な反応に留まる見通し。
ただし、米貿易収支への市場の反応は大きくなりやすいため、内容次第ではドル売りの加速も。
【要人発言・発表予定】
- デギンドス(ECB副総裁)
- シュナーベル(ECB理事)
- ジェファーソン(FRB副議長)
- クック(FRB理事)
- ECB議事録(3月6日会合分)
→ 市場の注目は金融政策そのものよりも、関税によるインフレ vs 景気減速の影響。各中銀のスタンスがより慎重姿勢に傾けば、リスク資産にはさらに重しとなりやすい。
■ トレード戦略:逃避通貨買いが基本、戻りには慎重な姿勢維持
💡 資金流入中の通貨:
✅ 日本円(JPY)
✅ スイスフラン(CHF)
✅ ユーロ(EUR)
💥 資金逃避中の資産:
❌ 米ドル(USD)
❌ 豪ドル(AUD)
❌ 株価指数(特に米・アジア)
📌 基本戦略:
- ドル円・豪ドル円・カナダ円などクロス円の戻り売り狙い
- EUR/USDやCHF/JPYなど逃避通貨の押し目買いも視野
- ゴールド(XAU/USD)も2000ドル超を定着できれば再上昇フェーズ入りの可能性
📊 相場全体の流れまとめ
分類 | 内容 |
---|---|
テーマ | トランプ関税が想定以上に厳しく、リスクオフ再燃 |
市場の反応 | 株安・円買い・スイス買い・ドル売り・金買い |
今後の注目 | 各国の報復措置、ISM非製造業、米貿易収支 |
トレード方針 | 戻り売り継続。逃避通貨(JPY/CHF/EUR)優位。 |