【週明け相場:トランプ関税の影響深まる中、注目はEUの出方】
― 株安・リスク資産売り継続、鍵を握るのは「報復か、対話か」 ―
■ トランプ関税ショックがさらに拡大、市場混乱に拍車
週末を挟んでも、トランプ関税を巡るリスク回避姿勢は継続・拡大中。
- トランプ大統領は「米貿易赤字が解消されるまで関税政策は継続」と発言
- 株価下落についても「想定内」とし、市場の混乱には動じない姿勢
- パウエルFRB議長に対しても「利下げが遅い」と圧力を強めており、金融政策への介入姿勢が鮮明化
→ 関税・金融政策・地政学が同時進行する構図となり、マーケットは先行き不透明感に包まれている。
■ 通貨強弱分析:リスクオフ下での資金フローに注目
📊 直近1ヶ月の通貨パフォーマンス(対USD)ランキング:
通貨 | 傾向 | 背景要因 |
---|---|---|
🇨🇭 スイスフラン | 最強通貨 | 安全通貨+米国との経済的競合が少ない |
🇨🇦 カナダドル | 強い | 米国との関税回避・資源高の下支え |
🇪🇺 ユーロ・🇯🇵 円 | 強め | ディフェンシブ資金流入、関税報復スタンス |
🇬🇧 ポンド | 弱含み | 輸出セクターの脆弱性・原油安の影響 |
🇦🇺🇳🇿 豪ドル・NZドル | 最弱通貨群 | 中国経済との連動性高く、貿易戦争直撃懸念 |
→ 特にオセアニア通貨売りとスイスフラン買いがトレンド化しており、クロスでの構築も有効(例:CHF/AUD、NZD/CHF)。
■ EUの対応が今週の焦点、交渉か報復か
現在の市場の最大注目は、EUが米国にどう対応するかに移りつつある。
📌 欧州議会の報復関税計画(今後のスケジュール):
- 4/9(火):欧州議会が報復関税の承認を審議
- 承認されれば導入は2段階制
- 第一弾:4/15から一部品目に関税発動
- 第二弾:5月中旬に残りの品目へ適用
→ ここでEUが“対話重視の大人の対応”を見せれば、株式・リスク資産に一時的な反発も期待される。
逆に強硬報復に動けば、「関税戦争の本格激化」としてさらなるリスクオフ展開も視野。
■ 経済指標・イベントは後回し、地政学・政治主導の展開
【本日の主な材料】
- 🇪🇺 ユーロ圏2月小売売上高:指標インパクトは限定的
- 🇺🇸 クーグラーFRB理事講演:テーマはインフレとフィリップス曲線
- 🇪🇺 EU外相理事会(貿易):対米・対中貿易戦略の協議へ
→ ファンダメンタルズ系の指標は**“後追い材料”としての位置づけ**にとどまり、市場は関税テーマ中心に反応しやすい地合いが続く。
■ トレード戦略:EU報復の有無で戦略転換も、基本はリスク回避継続
📌 現時点の戦略方針:
資産クラス | スタンス | 補足 |
---|---|---|
ドル円(USD/JPY) | 戻り売り | 株安・リスクオフとともに下値試し継続か |
ゴールド(XAU/USD) | 押し目買い | 金利低下と資金逃避で上昇継続基調 |
豪ドル・NZドル | 売り優勢 | 対スイス・対円でのショート構築有効 |
スイスフラン(CHF) | 買いキープ | クロスでのディフェンシブ通貨としての優位性継続 |
📊 総括:
テーマ | 状況・展望 |
---|---|
トランプ関税 | 「長期戦覚悟」の姿勢強まる。米株・ドルには重し |
EUの対応 | 今週最大の分岐点。報復 vs 対話の方向次第で市場転換も |
通貨戦略 | CHF強・AUD/NZD売り、円も引き続き買われやすい地合い |
指標イベント | ファンダは地政学リスクの“補完材料”程度に留まりやすい |