今週も円安基調継続、中国の景気対策と米ソフトランディング期待で
今週、円安の流れが続いています。来週の国慶節に向けて、中国人民銀行をはじめとする政府機関から次々と景気対策が発表されており、中国・香港株は連騰して活況を呈しています。オーストラリアや欧州諸国にとっても、中国の景気回復は好材料であり、リスク選好ムードが広がっています。また、OECD経済見通しでは、今年の世界経済成長率が上方修正されましたが、中国の新たな施策を受け、さらなる成長期待が高まる可能性があります。
米国の利下げとソフトランディング期待が背景に
先週の米FOMCでは予防的に50ベーシスポイントの大幅利下げが発表されました。市場では、米経済の不透明感よりもソフトランディング(緩やかな経済成長の鈍化)への期待が高まっており、特にハイテク株が主導する形で米株式市場が好調を維持しています。
リスク選好ムードが続く中、ドル円は先週の139円台半ばから、現在は145円付近まで上昇しています。週末を控え、145円台を突破してさらに上昇するのか、あるいは調整が入るのか、神経質な展開が予想されます。
日米金利差の縮小と円買いの可能性
足元では、リスク選好による円売りが進んでいますが、米FOMCが約4年半ぶりに利下げを開始したため、今後の日米金利差が縮小することは避けられません。日本の次期自民党総裁による日銀の金融政策の方向性が不透明ではあるものの、米国が利下げを続ける限り、ドル売り・円買いの圧力は根強く残ると見込まれます。市場の関心が再び金利差に戻るタイミングに注意を払う必要があります。
この後の経済指標と注目イベント
この後、海外市場では米国の第2四半期実質GDP(確報値)、新規失業保険申請件数(9月15日~9月21日)、8月の耐久財受注(速報値)、中古住宅販売成約指数(8月)、およびメキシコ中銀の政策金利発表が予定されています。スイスとメキシコの中央銀行は利下げを実施する見込みです。
また、米金融当局者の発言が目白押しです。FRB理事クーグラー氏、ボストン連銀総裁コリンズ氏、FRB理事ボウマン氏、FRB議長パウエル氏、NY連銀総裁ウィリアムズ氏、FRB副議長バー氏、FRB理事クック氏、米財務長官イエレン氏の講演が予定されています。欧州関連では、ECB経済報告、スイス中銀総裁ジョルダン氏の記者会見、ECB総裁ラガルド氏、副総裁デギンドス氏、理事シュナーベル氏らの講演が予定されています。さらに、米7年債入札(440億ドル)も行われる予定です。一連の発言を通じて、利下げに対する市場の関心が高まる可能性もあるため、注意が必要です。
今日の注目ポイント
本日は21:30に米GDPが発表されます。引き続き米ドル売りの目線で値動きを注視していきます。