米FOMC & カナダ中銀政策金利 – 織り込み済みか、それともサプライズか?
本日は、米FOMC と カナダ中銀(BOC)政策金利発表 という2大イベントが控えており、市場の注目が集まっています。ただし、どちらも市場の織り込み度が高いため、基本的にはサプライズがなければ落ち着いた反応になる可能性が高い と見ています。
■ 米FOMC – すでに「据え置き」が織り込み済み
- 政策金利: 据え置き(5.25%~5.50%)が 99.5% 織り込み済み(CMEフェドウォッチ)。
- 背景:
- 依然として根強いインフレ。
- 予想より強かった最近の米雇用統計。
- トランプ政権による関税政策の不透明感。
- ポイント:
- パウエル議長が「次の利下げ時期」についてどこまで明言するか?
- 「5月・6月の利下げ期待」を完全に否定するかどうか。
- 市場が「タカ派発言」と捉えれば ドル買い・株安・債券利回り上昇 の可能性。
- 逆に「ハト派発言」であれば ドル売り・株高・債券利回り低下 に傾く可能性。
現在の市場では「3月利下げはほぼ消滅」「年内利下げは2~3回の予想」となっており、今回のFOMCがその見通しを変えるかどうかが最大のポイントになります。
■ カナダ中銀(BOC) – 利下げ確率は約7%
- 政策金利: 据え置き(5.00%)の確率が 93%。
- 市場では3月の利下げ(0.25%)の織り込み度は70%
- ポイント:
- マックレム総裁が「次回以降の利下げ」をどれくらい強調するか?
- もし「3月利下げに慎重」な姿勢を見せればカナダドルの買戻しが入る可能性も。
- 逆に「利下げを示唆」すれば、カナダドルは下落圧力が強まる。
カナダドルはすでに売られているため、織り込み済みの内容なら影響は限定的になる可能性もありますが、もし市場が予想以上にハト派と受け取れば、一段のカナダドル安が進行する可能性があります。
■ その他の重要経済イベント
海外市場の指標発表:
- スウェーデンGDP速報値(第4四半期)
- スウェーデン中銀政策金利(0.25%利下げ予想)
- ドイツGfK消費者信頼感調査(2月)
- ユーロ圏マネーサプライM3(12月)
- メキシコ雇用統計(12月)
- 米MBA住宅ローン申請指数(1月18日-24日)
- 米卸売在庫(12月速報値)
- ブラジル中銀政策金利(市場コンセンサスは100bpの利下げ)
発言・イベント:
- ベイリー英中銀総裁が財務委員会に出席。
- 米週間石油在庫統計 の発表。
- 注目企業決算:
- メタ(Meta)
- IBM
- Tモバイル
- テスラ
- マイクロソフト
- ラムリサーチ
米ハイテク企業決算が相場全体のセンチメントを左右する可能性もあり、株式市場の動きが為替に波及することに注意が必要です。
■ トレード戦略
① カナダドル(CAD) – 引き続き売り目線
- 23:45のBOC政策金利発表を待ち、マックレム総裁の発言次第で追加売りも検討。
- すでに市場が利下げを織り込んでいるため、下落余地は限られる可能性もあるが、もし「3月の利下げを明確に示唆」すれば、カナダドルの売り圧力が強まる 可能性がある。
- カナダドル円(CAD/JPY)の戻り売りが有効か。
② 米ドル(USD) – FOMC次第で短期の方向性が決定
- FOMC後のパウエル発言が「タカ派」ならドル買い、「ハト派」ならドル売りが進む可能性。
- ただし、現時点で市場はタカ派をある程度織り込んでいるため、「予想通りの内容ならドル買いの勢いは限定的」と見る。
③ ユーロ(EUR) – 売り目線
- ECB理事会での追加利下げ観測が強まりつつあり、ユーロドルは下落リスクを抱える展開。
- 1.05台の攻防が続くが、FOMC後に米ドルが上昇すればユーロドルは1.04台を試す可能性あり。
- ユーロ円(EUR/JPY)の戻り売りも視野に。
■ まとめ
- FOMC: 市場は「据え置き」をほぼ織り込み済み。パウエル議長が「今後の利下げペース」をどう語るかが焦点。
- カナダ中銀(BOC): 据え置きが有力だが、マックレム総裁が「3月以降の利下げ」を明確に示唆すればカナダドル安が進行する可能性。
- トレード戦略:
- カナダドルは売り目線継続(BOC後の動向次第で追加売りも検討)
- 米ドルはFOMC後のパウエル発言を見極める(タカ派ならドル買い、ハト派ならドル売り)
- ユーロは売り目線(FOMC後にドル買いならユーロドル下落へ)
23:45のBOC政策金利発表後、さらにポジションを精査し、FOMCの動きにしっかりと対応していきたい。