【関税リスクは一服感、次は“発表待ち”のポジション構築フェーズへ】
― トランプ関税と米雇用統計を控え、市場は調整モードに移行中 ―
■ ドル円、関税リスク後退で反発展開:150円台を回復
昨日の為替市場では、ドル円が一時150円台を回復。週明けに強まったトランプ関税を警戒したリスク回避の流れはやや一巡し、ポジション整理主体の買い戻しが優勢となった。
市場のセンチメントは「猫の目」のように変化しており、トレンドの継続性には懐疑的なムードも。
- ドル指数(DXY)自体に大きな方向感はなく、全体として**“待ちの姿勢”が広がる地合い**
- トランプ関税の内容が不透明なままであり、イベント通過待ちの調整フェーズといえる
■ トランプ氏の発言にブレ:市場の方向感を曖昧にさせる構図
直近のトランプ氏の発言はややトーンダウンしており、以下のように相手国の出方を探るような柔らかい表現が目立っている:
- 「相互関税は比較的『優しい』内容になる」
- 「関税は水曜日に発動」
- 「ロシア原油への二次制裁は避けたい」
→ これにより、マーケットは一気にリスクオンに傾くこともできず、ショートの巻き戻しも中途半端な形に。
💡 注目イベント:
- 4/2(水)日本時間3日午前4時:ホワイトハウス・ローズガーデンで関税内容発表
- 4/3(木):自動車に25%の追加関税発動予定
■ 米経済指標:スタグフレーション警戒の巻き戻し進む
昨日発表の**3月シカゴPMIは47.6(予想45.0、前回45.5)**と市場予想を大きく上回る結果に。
これにより、先週末の米PCEを受けたスタグフレーション懸念がやや緩和され、市場の警戒感も後退。
本日は以下の重要指標が予定されており、ドルの反応に注目が集まる:
📝 本日の米経済指標(日本時間):
- 23:00:JOLTS求人件数(2月) → 765.5万件(予想) vs 774.0万件(前回)
- 製造業PMI確報値(3月)
- ISM製造業景気指数(3月)
- 建設支出(2月)
→ 雇用関連指標としてJOLTS求人件数は特に先行性が高く、市場の注目度も高い。このあと控える金曜の雇用統計を見据えたポジション調整が起きやすい。
■ 要人発言:本日はラガルド総裁など講演多数、ただし内容には注意
本日は多数の中銀関係者が講演予定となっているが、必ずしも金融政策に直結するテーマとは限らない。
💬 本日予定の発言イベント:
- グリーン(英MPC委員)
- ブイチッチ(クロアチア中銀)
- チポローネ(ECB理事)
- ラガルド(ECB総裁)・レーン(ECBチーフ) → ※AI関連講演のため金利発言は期待薄
- バーキン(米・リッチモンド連銀)
■ トレード戦略:イベント通過後の「事実買い」を見据えて戻り狙い
市場は関税リスクに対して一定の織り込みを終えつつあり、発表直前~直後にかけてショートカバーの可能性が高まっている。
🔁 戦略方針:
- ドル円・クロス円(特にゴールドやユーロ円):下値余地限定と見て、押し目買い優勢
- 本日から徐々に買いポジションを仕込む参加者が増える想定
- 特に金曜の米雇用統計を意識した動きが水・木にかけて強まる可能性
📌 まとめ:
項目 | 状況・見通し |
---|---|
トランプ関税 | 市場の織り込み進行中。発表イベントに注目(日本時間3日4時) |
米経済 | PMI・JOLTSで景気評価が試される。PCEでの不安感は後退傾向 |
市場心理 | 猫の目のように変わるが、方向感模索中。ショートカバー狙いの流れも意識 |
戦略 | 戻り買い方針。ゴールド、ドル円、クロス円での押し目戦略をメインに |