今週の為替市場は、円高一色の相場展開になっている。先日の米CPI発表が弱含んだことがドル売り反応を広げた際に、政府日銀が円買い介入を実施したようだ。次の日にも介入実施が観測されている。これによってこれまでの円安トレンドに変化が生じた。

 さらに、今月末の日銀金融政策決定会合での利上げ観測が加わり、円買いが加速している。河野デジタル相や茂木・自民幹事長などが円安進行に警戒感を示し、日銀に利上げ実施の圧力をかける発言をしたことが背景。海外勢を含めて、これまでの円キャリー取引に対する巻き戻しの動きが強まっている。まさしく、相場の歯車が逆回転する格好となっている。

 円高相場は株安にもつながっており、きょうの日経平均は大引けにかけて一時1300円超安となる場面があった。米国では決算シーズンに入るなかで、半導体株など上昇相場をけん引していた銘柄が大幅反落している。原油相場も下げに方向性が変化している。様々な面で、ポジション調整が強まる局面と言えよう。

 市場の関心が円相場に向かうなかで、ドル指数は方向性が混とんとしている。そのようななかで、きょうは第2四半期の米GDP速報値が発表される。市場予想は前期比年率+2.0%と前回の+1.4%からの伸び加速が見込まれている。焦点となる個人消費は+2.0%と前回の+1.5%から上昇する見込み。一方、GDPデフレータ(価格指数)は+2.6%と前回の+3.1%から伸びが鈍化、コアデフレータも+2.7%と前回の+3.7%からの伸び鈍化が想定されている。予想段階では、強弱感が分かれるところとなっており、ドル相場の混迷は深まる可能性もある。結果を確認したいところだ。

 その他の経済指標発表予定は、ドイツIfo景況感指数(7月)、南ア生産者物価指数(PPI)(6月)、米耐久財受注(速報値)(6月)、米新規失業保険申請件数(07/14 – 07/20)など。米GDPで方向性が出なかった場合には、新規失業保険申請件数や耐久財受注の強弱が材料視される可能性があろう。

 発言イベント関連では、ナーゲル独連銀総裁がG20財務相中央銀行総裁会議で記者会見を行う。ラガルドECB総裁はスポーツイベントに出席する。米7年債入札(440億ドル)が実施される。欧米主要企業決算は、ステランティス、アストラゼネカ、ユニリーバ、ルノー、アッヴィなど。

(出所:みんかぶ)

引き続き日本円買いが強まると想定。クロス円の通貨ペアを中心にトレードを行う予定。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です