💹 リスク資産に広がる調整波──為替市場では“質の悪い円安”がじわじわ進行
─ ドル円は155円台で高止まり、円売り圧力が底流として継続
■ 全体市況:投資家のリスク許容度が一段と後退
今週のマーケットは、リスク資産に明確な調整色が走っている。
先週から崩れ始めたAI関連株の急落が投資家心理を冷やし、
その流れは週明け以降も収まる気配がない。
象徴的なのは以下の点だ:
- 暗号資産が年初からの上昇をほぼ吐き出す
- ゴールドも“現金化売り”が優勢
- 11月特有の ファンド勢によるリバランス・手仕舞い が重しに
つまり、株・暗号資産・商品など、
「リスク資産」という括りで広く資金が抜ける地合いとなっている。
■ ドル円:円売り優勢のまま155円台へ、2月以来の戻り高値
こうした環境下でも、ドル円は独自の強さを維持し続けている。
東京市場では 155.40円 まで上昇し、
今年2月4日以来となる円安水準に接近。
円売りが入りやすい理由はいくつもある:
- リスクオフ時の ドル需要が優勢
- 高市政権の打ち出す
規模感が見通せない積極財政(拡張財政)への警戒 - 「債券売り → 金利上昇 → 株安 → 円安」という
日本売りの連鎖 が徐々に顕在化
市場参加者の間では “構造的な悪い円安” の印象が着実に強まっている。
■ 円安が止まりにくい構造要因
為替市場そのものは相対的に落ち着いて見えるが、
円の下落基調が崩れにくい背景は明確だ。
- リスク回避の局面でも円買いが入りにくい
- 政府・日銀の介入警戒が、逆に円買いの勢いを削ぐ
- 日中関係の悪化が
インバウンド・投資フローの縮小懸念につながる
結果として「買われない円・売られやすい円」が続き、
方向感は円安側へゆっくりと傾斜している。
■ この後の海外指標:材料は並ぶがインパクト限定
今夜公表される主な経済指標は以下の通り:
- 香港雇用統計
- ハンガリー中銀政策金利
- カナダ住宅着工件数
- 米製造業新規受注/耐久財(8月確報)
- 米NAHB住宅市場指数
→ 全体として相場を “動かす力” は弱い。
その中で比較的注目を集めるのは、
米ADP民間雇用者数(週次)。
最近は週次データでもマーケットが動きやすく、
ヘッドライン次第で一時的にドルが揺れる可能性がある。
■ 注目イベント:高市首相 × 植田総裁の会談
午後に行われた首相・日銀総裁会談は
予想通りの無難な内容で終了。
しかし、懸念材料はむしろ別の部分にある:
- 高市首相が台湾情勢に言及
- これに対して中国が「内政干渉」と強く反発
- 日本側は発言撤回を拒否し、緊張状態が長期化へ
この対立は、
“日本の地政学リスク”として円相場が敏感に反応する
可能性を残している。
🇬🇧 ロンドン序盤:株安で一時的に円買いも、継続せず失速
ロンドン時間に入ると、世界株安を背景に円買いが先行したが、
勢いは続かず、再びドル円・クロス円は上値の重い動きに戻った。
- 日経平均:1,600円超の大幅安
- 欧州市場:軟調スタート
- 米10年債利回り:4.14% → 4.09%へ低下
- 金・原油:重さが目立つ
■ ドル円の推移
- 東京午後に 154.82円 まで押し戻される
- その後 155.20円 前後まで切り返すも勢い継続せず
- 前日のNY終値 155.26円 が固い壁として意識される
■ 主なクロス円
- EUR/JPY:179.61 – 180.02
- GBP/JPY:203.70 – 204.30
全体的に、
“円買いは弱いが円安の推進力も鈍い” という
スタックした相場環境となっている。





