💹 米感謝祭でNY休場──静寂のマーケットでドルがじわり持ち直し
── 材料不足の中、為替はポジション調整が中心に。ドル円は上値の重さを残しながらゆるやかに下押し傾向。
【1】米国休場で“ほぼ動かない一日”へ
きょうの最大テーマはこれに尽きる。
米国は感謝祭で株・債券とも全面休場。
明日のブラックフライデーも短縮取引となり、
事実上、米勢は週内ほぼ不在となる。
主要指標は前日までに前倒しで公表されており、
今日は “新しい手がかりが出にくい特殊日”。
したがって、
- 薄商い
- フロー主導
- 観測報道で振れやすい
という典型的なホリデー相場が想定される。
【2】ドル安を牽引した“利下げ期待”は高水準のまま
今週ドルが軟調だった背景は明確だ。
- 12月利下げ確率:85%付近で高止まり(CME)
- 豪ドル・NZドルが強く、ドルの相対的弱さが露呈
- 英国の予算関連ニュースがポンド買いを誘発
- 欧州通貨も対ドルで底堅い推移
複数の外部要因が同時に“ドル売り方向”へ傾いていた。
【3】ユーロは上下に振れやすい形──強弱材料が交錯
今週のユーロは、
“買い材料”と“売り材料”が同時に存在する難しい地合い。
- ECBは早期利下げ打ち止め観測 → ユーロ買い
- 直近のポンド急伸の反動 → ユーロ売り
このため、ユーロドルはトレンドのない小刻みな上下に終始している。
【4】ドル円:158円に乗った後は頭打ち
ドル円は158円を試した後、重さが鮮明に。
要因としては、
- 日銀12月利上げ観測
- 介入警戒
- 連合による円安批判
- 米利下げ期待の強さ
これらが複雑に絡み、
**“円売り一辺倒ではなくなった”**ことが大きい。
ただし、
- 円キャリー(円売り)需要は依然として強い
- 155円台まで下押ししても戻しやすい
という構造は変わらず、
急落は出にくいが切り下げ圧力は残るという独特の相場環境。
【5】ロンドン序盤:ドルが小幅反発、ポンドは調整安
● ドルインデックス
- 東京時間:99.40台まで下落
- ロンドン午後:99.70台まで切り返し
前日までのドル売りの反動で、
ロンドン勢は “ドルの買い戻し” を選択。
● ポンド
秋季予算案を受けた急伸の反動で、
きょうはポンドにまとまった調整売り。
- GBP/USD:1.3210まで下落
● ユーロドル
ポンド安に引っ張られ、
1.1580前後まで弱含み。
● ドル円
- 東京:155.73まで下押し
- ロンドン:156.30〜40へ戻す
他通貨と比べると、極端な動きは見られず安定。
【6】今日は“欧州中心の一日”──米指標ゼロ
米国勢不在で、
市場を動かす材料はほぼ欧州に限定。
- ドイツGfK(消費者信頼感)
- ユーロ圏M3(資金供給)
- 景況感指数
- トルコ、南ア、メキシコ、カナダの指標多数
とはいえ、米指標ほどのインパクトはなく、
基本的には“チラつき程度”の反応。
【7】要人発言:ECBコメントでユーロが細かく反応する程度
- ECB議事録
- ビルロワ(仏)
- デギンドス(副総裁)
- 英中銀のグリーン委員 など
為替の主役になるほどの話題ではないが、
ユーロ・ポンドに細かいノイズを与える可能性はあり。
✔ 総括:静かな相場で“ドルだけ反発”、ただし相場の方向性は出にくい
今日のポイントを整理すると──
- 米休場で流動性が極端に低い
- 新しい材料が出ない
- 今週のドル安の反動として、きょうはドルが買い戻されやすい
- ポンドは急伸の反動売り
- ドル円は観測報道で動きやすいがトレンドは出にくい
🎯 今日の相場テーマは一言でいうと:
『材料不足 → 参加者不在 → 調整だけで終わる一日』





