📊 FOMC通過後、市場は次のテーマを探る段階へ
― ドル円は155円台後半で足踏み、金利差縮小を巡る綱引き ―
■ 市場全体:FOMC後の反動一巡、相場は小康状態
米FOMCを通過し、為替市場は一旦落ち着きを取り戻しつつある。
利下げ決定と短期国債買い入れ方針を背景に、会合直後はドル売りが優勢となったが、足元ではその動きも一服。
NY市場では、米新規失業保険申請件数が想定以上に悪化したことでドル円は155円を割り込み、一時154円台後半まで下落。しかしその後は、
- 米金利低下が止まったこと
- 短期筋のポジション調整
- 週末を意識した持ち高調整
が重なり、ドルは買い戻される流れとなった。
東京時間ではドル円がじりじりと持ち直し、現在は155円台後半で方向感を探る動きが続いている。
■ ドル円:戻りは限定的、上も下も決め手に欠ける展開
足元のドル円は、明確なトレンドを描きにくい局面に入っている。
上値を抑える要因
- 米利下げが現実のものとなりつつあること
- 来週の日銀金融政策決定会合への警戒感
- 日米金利差が中期的に縮小方向へ向かうとの見方
一方で下値を支える材料
- 急落後の自律反発余地
- 短期筋のショートカバー
- 実需による断続的なドル買い
これらが交錯し、155円台後半を中心とした持ち合いになっている。
📌 想定レンジ
- 下値:155.30円前後
- 上値:155.90円前後
※156円台では戻り売りが出やすい水準
■ ユーロ・円クロス:ドル主導の調整局面
ユーロドルは1.17台前半で小動き。
ドル安基調そのものは崩れていないが、FOMC後の調整局面に入り、積極的に上値を追う動きは限定的。
- 1.17台を軸としたレンジ推移がメインシナリオ
- 新規材料待ちの色合いが強い
ユーロ円は182円台半ばを中心に推移。
ドル円の値動きに連動しやすく、円主導の展開には引き続き注意が必要。
■ ポンド:英指標悪化が重し、上値の重さが際立つ
英国では10月GDPが市場予想を下回るマイナス成長となり、ポンドはやや弱含み。
- ポンドドルは1.33台後半から軟化
- ユーロポンドはじり高
英景気減速への警戒感が再燃しており、
BOEの利下げ観測がくすぶる中、ポンドは戻り売りが出やすい地合いとなっている。
■ 本日の注目材料:指標より「発言」がカギ
経済指標は比較的限定的だが、米金融当局者の発言が相場の次のヒントになりやすい。
主な予定
- フィラデルフィア連銀総裁
- クリーブランド連銀総裁
- シカゴ連銀総裁
※来年のFOMCで議決権を持つメンバーの発言は特に注目度が高い
発言内容次第では、
- 米金利の再低下
- ドル売りの再点火
といった動きにつながる可能性もある。
■ 総括:方向性は「次の材料待ち」
- FOMC後の初動は一巡
- ドル円は155円台後半で足踏み
- 日米金利差縮小観測が上値を抑制
- 一方で急落後の調整も入りやすい
👉 現時点では“様子見が最適解”に近い地合い
👉 明確な方向性が出るのは、
日銀会合・次の米指標・FRB要人発言を待ってからになりそうだ