📘 日銀12月利上げ観測が一段と強まり、ドル円は下押し基調を継続
— 市場の視線は「利上げの是非」よりも「海外勢の反応と米データ」へ —
■ 1|日銀の12月利上げ観測は急速に強まるも、市場は“ほぼ織り込み済み”
東京午後、ロイター報道:
「日銀が12月利上げへ傾き、政府も容認する見通し」
これが円買いを誘ったものの、
ドル円は日中安値を割れず反応は限定的。
理由は明確:
- 植田総裁がすでに
「12月会合で利上げを議論」 と明確化 - 利上げそのものは債券市場で広く織り込み済み
今回の新材料は “政府容認” の政治シグナル。
→ 夜間の海外勢がどう解釈するかが焦点で、
154円台再トライは十分想定範囲。
■ 2|欧州時間:ドル円急落が“ドル売りの連鎖”を発生
ロンドン序盤は、円買い+ドル売りが鮮明。
- USD/JPY:154.80まで下落
- EUR/USD:1.1677(本日高値)
- GBP/USD:1.3359(本日高値)
ドル円の下落を起点に、
対ドル通貨が一斉に上値を試す展開となり、
ドル指数も軟調。
■ 3|ポンド:上値の重さが際立つ、財政への懸念が圧迫
ポンドは欧州序盤で一時上昇したものの、伸びは限定的。
背景:
- 米運用大手が
「増税効果は不十分、政府の財政見通しが甘い」
と指摘 - 英30年債利回り → **1年以内に6%**との予測も話題
ドル円急落に連動し、ポンド円も軟化。
■ 4|海外時間の主役:米雇用関連指標
昨日のADP(-3.2万人)に続き、
本日は労働市場関連の指標が集中。
弱い結果となれば、再びドル円を154円台へ押し込む材料に。
- チャレンジャー人員削減数
- 新規失業保険申請件数
- 耐久財受注(確報)
- 製造業新規受注
→ 米金利が低下すればドル売り加速 → ドル円は続落方向へ。
■ 5|欧州・中南米指標は影響限定
- スウェーデンCPI
- スイス雇用・PMI
- 英建設業PMI
- ユーロ圏小売
- ブラジルGDP
- カナダIvey PMI
昨日のユーロ圏CPIはやや強めだったが、
ECBのスタンスに変化はなく、反応は限定的。
■ 6|要人発言:内容は出揃っており、市場影響は小さい見通し
- ECB:コッハー、レーン、チポローネ
- 英中銀:マン委員
- FRB:ブラックアウト中で政策発言なし
ポリシーサプライズは見込み薄。
■ 7|今日のドル円:基調は“下方向バイアス”が維持
市場構図ははっきりしている:
✔ 日銀:タカ派方向へ(利上げ観測↑)
✔ 米国:ハト派方向へ(利下げ観測↑)
→ 日米金利差圧縮 → ドル円は下押しがメインシナリオ
ただし短期的には売られすぎの調整も入り、
戻り余地を探る展開も並行。
◆ 重要レンジ
- 上値:155.80〜156.20(戻り売りゾーン)
- 下値:154.50 → 154.00(次のターゲット)
米雇用関連データ次第で、
どちらかのゾーンを明確に試す一日となりやすい。
📌 最終まとめ(核心だけ)
- 日銀12月利上げはすでに相当織り込み済み
- 新材料は「政府が容認」→ 海外勢の反応がカギ
- ドル円は154.80まで下落、ドル安が主要通貨に波及
- ポンドは増税&財政懸念で上値が重い
- 今晩の米雇用指標が今日の値動きを決定づける
- 基調は依然 “下方向バイアス”、戻りは売られやすい環境





