WHOがエムポックス(サル痘)緊急事態宣言、アフリカ大陸外で初確認:市場への影響を分析
WHOは8月14日、アフリカで感染が拡大しているエムポックス(サル痘)について「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言しました。翌日、スウェーデンの公衆衛生当局は、国内で初めてエムポックスのクレードIと呼ばれる系統群が確認されたと発表しました。
エムポックスは、サル痘ウイルスによって引き起こされる感染症で、クレードIとクレードIIの2つの系統群があります。クレードIはコンゴ民主共和国を中心に感染が拡大しており、今回がアフリカ大陸外で初めて確認されたケースとなります。スウェーデンの罹患者は、アフリカの流行地域で感染したとされています。
アフリカ疾病対策センターの報告によると、今年に入ってエムポックスの感染例はコンゴ民主共和国だけで14,000例に達し、昨年同時期と比べて160%増加しています。死亡者数も524人と、同19%増加しています。
2022年から昨年にかけて世界的に流行したエムポックスはクレードIIbと呼ばれる菌株によるものでしたが、クレードIはより重症化するリスクが高い可能性が指摘されています。
市場への影響予測:原油価格の急落リスク
もしエムポックスが世界的に拡散するような事態となれば、前回のコロナウイルス拡大時のように、航空機の運行停止や物流の停滞が発生し、原油価格が急落する可能性があります。前回のコロナ拡大時には、原油価格がマイナスまで落ち込んだ事例もあり、今回も同様の動きが考えられます。
すでに、ワクチンへの期待感から世界的に製薬会社の株価が急騰しています。エムポックスがどの程度広がるかは未知数ですが、市場ではすでにその可能性を織り込んだ動きが見られます。このため、原油の売り戦略を進めることが理にかなっていると考えます。
今後もエムポックスの感染拡大と市場への影響を注視しつつ、柔軟に対応していく必要があるでしょう。