💹 週明けの相場は“静かな波乱”──反発ムードの裏で、円もドルも売られる異例のスタート
【1】株式市場:一応の反発、しかし“重たい空気”は晴れず
週明けのアジア市場は穏やかな上昇で始まり、
米株先物もプラス圏をキープ。
表面上は落ち着いて見えるものの、投資家の胸中はまだざわついている。
先週の下げは、単なる調整では説明しきれない規模だった。
- ナスダック:-2.7%(週次)
- 日経平均:-3.5%
- 欧州株:広く3%超の下落
- ビットコイン:月内の上昇分を急速に失う展開
11月はファンドのリバランスが増える時期でもあり、
“逃げ急ぐ売り”がまだ完全に止まったとは言い切れない。
➡ 今週の株式市場も、値幅の大きい展開は覚悟する必要がある。
【2】週後半のビッグイベント:感謝祭とブラックフライデー
アメリカは今週、
・木曜:感謝祭
・金曜:ブラックフライデー
という年末商戦の大一番を迎える。
市場の受け止め方は非常にシンプルだ。
- 結果が悪い → 個人消費の失速 → 景気後退懸念 → リスクオフ
- 結果が強い → 消費の底堅さを確認 → 株高 → 円売り
この2日間のデータが、12月相場の方向付けになりかねない。
➡ 今週は前半静か、後半が“本番”。
【3】為替:円が売られ、ドルも売られる──“ねじれ相場”が発生
■ 東京時間:方向感はほぼゼロ
- ドル円:156円前半で滞留
- ユーロドル:1.15台前半
- ポンドドル:1.31台維持
神経質ながらも、明確なトレンドは見られなかった。
■ ロンドン序盤:一気に空気が変わる
欧州株が反発してスタートすると、
“リスクオンの円売り”と“ドル安”が同時進行する奇妙な展開へ。
● クロス円が軒並み急伸
- ユーロ円:180.80
- ポンド円:205.44
リスク選好の復活が円売りを後押しし、
どの通貨でも円がまとめて売られる形に。
● ユーロドルも急伸
- 一時 1.1534 の高値を記録。
ドル安とユーロ買いが同時に進み、
ユーロは“単独で強い”状態に。
● ドル円
- 156.89 まで上昇
- 以降は 156.70前後 で売買が拮抗
➡ ドル円は上昇、ユーロドルも上昇、ユーロ円はさらに上昇──という珍しい三重構造。
【4】ドイツIFO:弱い数字でもユーロはびくともせず
11月のIFO景況感指数は弱めの結果。
- 総合:88.1(予想88.5を下回る)
- 期待指数:悪化が目立つ
- 現況指数:わずかに改善
通常ならユーロ売り材料だが、
ユーロ売りはまったく出ず、むしろ堅調なまま。
その背景は明確で、
- 欧州株の持ち直し
- ドル安トーンの継続
- 先週からのユーロ買いの勢い
がユーロの下値を完全にガードしている。
【5】本日の注目:欧州中銀メンバーの発言が集中
今日はユーロ関連の発言ラッシュ。
- チポローネ(ECB理事)
- ラガルド(ECB総裁)
- ナーゲル(独連銀総裁)
さらに、
- 米2年債入札
- ズーム、キーサイトなどの米企業決算
が控えており、
欧州時間〜NY時間にかけて小さなショックが起きても不思議ではない。
✔ 総括:表向きは“回復”、実態は“ねじれた相場”
今日の動きを一言でまとめるなら、
「円安もドル安も共存し、クロス円だけが力強い」
という極めて珍しい地合い。
- 株高(=円売り)
- ドル安(=ユーロ買い)
- 円売りの勢い(=クロス円高)
この3つが揃った結果、相場は表面以上に複雑さを増している。
そして最大のポイントはここ:
➡ 先週の暴落の反発に過ぎず、本格反転とは断言できない。
➡ 感謝祭・ブラックフライデーが週後半の“運命の分岐点”。
今週は、
静かに始まり、荒れて終わる
そんな展開になる公算が高い。





