💹 ドル円は下方向リスクが鮮明に
── 日米の政策観測が同時転換、金利差縮小へ**
【1】ドル円:日米の金利方向が逆回転、下押し圧力が一段と増す
今日の海外市場は、ドル円の追加下落に警戒が必要な地合いだ。
■ 日銀:12月利上げ観測が急浮上
植田総裁は講演で、
「12月会合で金利調節を議論」
「緩和政策の調整を進める」
「円安によるインフレ加速の負の側面」
に踏み込んだ。
これにより市場は一気にスタンスを修正。
- 従来:1月利上げシナリオ
- 現在:12月利上げに現実味
債券市場ではすでに利上げを前提とした動きが加速している。
■ 米国:12月利下げ観測が一気に台頭
- FOMC議事録後:利下げ確率 35%
- 現在:87.6%に急上昇
日米の政策方向が同時に“逆方向”へ動き、
日米金利差縮小 → ドル円の構造的下落要因に。
■ 東京市場は155円半ばまで急落
東京時間は
156円割れ → 155.40付近まで急落。
NY勢が本格参入し、
さらに 米PMIやISMが弱ければ 155円割れ再トライが視野に入る。
【2】欧米の指標ラッシュ:ISMに最大注目
■ 欧州(確報値中心)
- 仏・独・ユーロ圏 PMI確報(11月)
- トルコGDP
- スイス小売
- 英消費者信用残高 / M4
欧州のサプライズはユーロに波及し、間接的にドル円も動きやすい。
■ 米国
- ISM製造業(11月)
予想:49.0(前回48.7)
ISMが弱い → 米利下げ観測強化 → ドル売り → ドル円下押し
【3】英国:家計指標の弱さで利下げ観測が強まる
発表済みの英10月指標は軒並み弱く、
- 消費者信用残高:伸び鈍化(予想未達)
- 住宅ローン残高:減速(予想未達)
→ 高金利のボディブローが家計に効き始めた
とはいえ、
- 消費者信用前年比:+7.2%
- 住宅ローン承認:66.5万件(コロナ後平均超)
景気は減速だが、リセッションではない。
BOEは
「インフレ警戒」×「家計悪化」 の狭間で次の一手を探る局面。
【4】ドル指数:11/17以来の安値圏に迫る
ドル指数(DXY)は
99.28〜99.51の弱いレンジで推移。
- 最大の押し下げ要因:ドル円の急落
- ユーロにはドル安、ポンドにはドル高と、通貨別でまちまち
- 全体としては“ドル売り優勢”
DXY:99.34(-0.12%)
【5】その他材料:英・米中心に小粒の話題
- 英:ディングラMPC委員が会議参加
- 英:スターマー首相がロンドン時間に演説
- 米:FRBは11日までブラックアウト期間
- 米:サイバーマンデーで消費関連ニュースが増加
✔ 総括:ドル円は「下方向バイアス」がいよいよ鮮明に
🔻 下落要因
- 日銀12月利上げ観測の急浮上
- 米12月利下げ観測の急加速
→ 日米金利差縮小がストレートに効く
🔃 イベントリスク
- ISMが最大の分岐点
ISM弱 → 155円割れ再トライ
ISM強 → 156円台後半へ短期反発
ただし中期的には、
戻り売り優勢・下押しリスクが高い相場環境に変化はない。





