📉 イベント通過で「方向感探し」へ
─ FOMCは予想通り0.25%利下げ。今後は“日米金利差の縮小ペース”が主戦場に。
■ 1. FOMC:0.25%利下げ決定、票割れが“ハト色”を強める
今回のFOMCは市場予想通り 3会合連続の0.25%利下げ。
しかし票割れがポイント。
- 利下げ(0.25%)賛成:9名
- 0.50%利下げ:1名(ミラン)
- 据え置き:2名(ともに来年は議決権なし)
市場は「据え置き主張が4名程度」と予想していたため、
想定よりハト派 → ドル売り・円買いが先行。
その後は東京時間にドル買い戻しが入り、
“急落→自律反発” の持ち合い相場へ移行。
■ 2. 米金利:一旦低下→すぐ反発
- FOMC直後:米10年債利回り 4.115%
- 東京後場:4.125%へ反転
米金利の反発がドル円の下げを小幅に抑制。
ただし—
- 日銀→利上げ接近
- FRB→利下げ開始
➡ 金利差縮小は不可避
よって ドル円の上値追いは慎重姿勢が継続。
▶ 想定レンジ:155.50〜156.50円中心
■ 3. ドル円:円高トレンドは継続、しかし“下値割れは鈍い”
東京午後、ブルームバーグが
「12月利上げ実施、その後も利上げ継続」 と報道。
- ドル円:154.55円まで急落
- 昨日安値:154.51円
- 今日安値:154.35円
しかしロンドンではショートカバーが入り 155円台へ反発。
➡ 円高方向だが、過度な下落には抵抗感。
“織り込み負け” の兆しも出始めている。
■ 4. 今夜の焦点:米PCE(9月分)
今回のPCEは政府閉鎖の影響で“古い数字”(9月分)。
- 総合:2.8%予想
- コア:2.8%予想
乖離が小さければ反応は限定的。
ただし 市場は利下げ87%を織り込んだ過熱状態。
➡ 予想を下回れば ドル売り再加速の余地 は十分。
■ 5. 欧州・英国:CPIは中立、英は利下げ期待がさらに強まる
ユーロ圏HICPはほぼ予想通り。
市場の評価は 「ECB据え置きの確認」 にとどまる。
一方で英国は—
- 家計指標弱い
- 建設業PMIも鈍化
→ BOE利下げ織り込みが9割超へ
そのためポンドは材料が出ても 上値が極めて重い。
■ 6. 主要通貨の値動き(ロンドン序盤)
| 通貨ペア | 動き |
|---|---|
| USD/JPY | 155.40前後、FOMC後の戻りを試す展開 |
| EUR/USD | 1.1670 → 1.1650台へ反落 |
| GBP/USD | 1.3347 → 1.3320付近へ軟化 |
米金利上昇に合わせ、全体的に ドル買い戻しが優勢。
■ 7. ユーロドル テクニカル
◎ メイン(上昇継続)
- 雲上抜け
- 21日線サポート
ターゲット:
1.1728 → 1.1779 → 1.1820 → 1.1919
▲ サブ(調整)
- 1.1649
- 1.1615
- 1.1592(雲下限)
割れると調整深め。
■ 8. 本日のまとめ
✔ 現状
- FOMCは“ややハト”だが、すでに織り込み済み
- ドル円は 円高バイアス+ショートカバー が交錯
- 金利差縮小の流れは変わらず 戻り売りが優勢
✔ 短期見通し
- 155.50〜156.50円のレンジ
- 米金利・日銀報道に敏感
- PCEは反応が出るなら“弱い時”
🎯 結論(最重要ポイント)
イベント通過で市場は“方向感探し”へ。
中期のテーマは完全に「日米金利差縮小」。
➡ ドル円は戻れば売られ、下げれば反発する難しい地合い。
➡ トレンド転換が起きるなら、PCE → 日銀会合 → 米金利 の連動が鍵。





