📊 米雇用統計が相場の分水嶺
― 失業率と“2か月分雇用者数”が年末相場の方向を決める ―
■ 1. 市場環境:FOMC後のドルは「雇用次第」の神経質な状態
先週の米FOMCでは、
ドットプロット(来年1回利下げ)よりも、パウエル議長の会見内容が市場の関心を集めた。
議長は会見で、
「雇用市場の減速には注意を払っている」
と発言。
これを受け、市場は
「インフレより雇用を重視し始めたFRB」
との解釈を強め、ドルは売りで反応した。
現在の相場は、
- ドル指数:戻りが鈍い
- ドル円:反発を挟みつつも上値は限定的
- 市場心理:
「弱い雇用=利下げ加速=ドル安」への警戒が優勢
この流れを引き継ぐ形で迎えるのが、今回の米雇用統計である。
■ 2. 今回の米雇用統計が“厄介”な理由
今回の雇用統計は、政府機関の一部閉鎖の影響により、
通常とは大きく異なる構成となっている。
● ① 失業率(11月分・単月)
- 前回(9月):4.4%
- 市場予想:4.5%
失業率は年初の 4.0% → 現在4%半ば と、
緩やかながらも一貫して上昇基調。
👉 予想通りの4.5%でも「雇用悪化の継続」と受け取られやすく、ドル売り材料になりやすい。
● ② 非農業部門雇用者数(10月+11月の合算)
- 直近(9月):+11.9万人
- 11月単月予想:+5万人
- 市場想定レンジ:▲2万人 ~ +13万人
10月分の「通常予想」が存在しないため、
市場は
- 「10–11月の平均」
- 「9月との比較」
など、評価軸が分散しやすい。
👉 そのため、
初動では雇用者数よりも“失業率の強弱”が優先される可能性が高い。
■ 3. 同時発表:米小売売上高もドル材料に
雇用統計と同時に、10月米小売売上高も公表される。
- 総合(前月比):+0.1%(前回 +0.2%)
- 除く自動車:+0.2%(前回 +0.3%)
仮に、
- 雇用が弱い
- 消費も鈍化
となれば、
👉 「雇用 × 消費」両面から米景気減速 → 利下げ期待強化 → ドル安加速
というシナリオが浮上する。
■ 4. 英雇用統計:賃金の強さがポンドを下支え
ロンドン時間に発表された英雇用統計は、賃金の強さが際立つ内容だった。
- 週平均賃金(前年比):+4.7%(予想 +4.4%)
- 除くボーナス:+4.6%(予想 +4.5%)
- 前回値はいずれも上方修正
一方で、
- 失業率:5.1%(予想通り上昇)
- 雇用者数:▲1.6万人(想定ほど悪化せず)
👉
「雇用は減速、だが賃金インフレは粘着的」
という評価から、ポンドは買い優勢に。
- GBP/USD:1.3360台 → 1.3370台
- GBP/JPY:207円台前半で下げ渋り
■ 5. 本日の想定シナリオ(重要)
▶ メインシナリオ(予想通り or 弱め)
- 失業率:4.5%以上
- 雇用者数:低水準
→ 米利下げ観測が再び強まり、ドル売り優勢
- USD/JPY:下方向トライ
- EUR/USD・GBP/USD:上値トライ
▶ サブシナリオ(サプライズ強)
- 失業率:4.4%以下
- 雇用者数:10万人超
→ 市場が完全に構えていないため、ドル急反発の可能性
- USD/JPY:ショートカバー主導で急伸
- クロス円も連れ高
👉 値動きは“どちらに転んでも荒い”展開を想定すべき。
■ 6. 本日の総括
- 最大の注目は 米雇用統計(失業率が最重要)
- データ構成が特殊で、市場評価はブレやすい
- 予想通り弱ければ、
FOMC後のドル安トレンドが再加速 - 強い結果なら、
年末に向けたショートカバー主導の急反発
📌 発表時は
スプレッド拡大・瞬間的な乱高下に最大限の注意が必要。
米雇用統計が、年末相場のドルの“最終方向性”を決定づける一日となりそうだ。





