「FXでポジションを週末まで持ち越してしまった」という経験はありませんか？ここでは、FXでポジションを持ち越してしまった場合にどうなるのか、持ち越してしまう原因、持ち越した場合の対処法について解説します。FXをする上で誰もが通る可能性のあることなので、ぜひ読んでみてください。
この記事のまとめ
- FXで週末にポジションを持ち越してしまった場合、価格は土日も変動しているため、値動き次第で大きな損失になる
- 金曜日の夜からトレードをすると、ポジションの決済を忘れてしまったり、金曜日は相場が荒れているためポジションを決済するタイミングを見失う危険性が高まる
- FXで週末にポジションを持ち越してしまった場合、窓開けを利用すれば利益につながる可能性がある
目次
- FXで週末にポジションを持ち越してしまった場合どうなる？
- FXで週末にポジションを持ち越してしまう原因
- FXで週末にポジションを持ち越した場合のメリット
- FXで週末にポジションを持ち越した場合のデメリット
- FXでポジションを週末に持ち越してしまった場合にやるべきこと
FXで週末にポジションを持ち越してしまった場合どうなる？
世界中のマーケットが休みであるため、土日は取引ができません。一般的には月曜日まで待つ必要がありますが、一部の中東地域では、土日が休日ではなく金曜日が休みの地域もあり、その地域の為替市場は動いています。
土日にも相場は動いているため、価格は変動します。したがって、金曜日にポジションを持ち越すと、値動き次第で大きな損失につながるリスクがあります。価格変動リスクを最小限に抑えるために、ポジションを保有する前に慎重に検討することが重要です。
FX会社ごとに取引できる時間が変わるため、自分が取引を行っているFX会社の取引可能時間を事前に調べておきましょう。
FXで週末にポジションを持ち越してしまう原因
金曜日の夜からトレードする
金曜日の夜に取引することがポジションを週末まで持ち越してしまう原因の一つです。特に、忙しい週の終わりに取引を行い、疲れや他の用事に気を取られたりして、ポジションの決済をうっかり忘れてしまう可能性があります。
また、金曜日はそれまでの平日とは違う動きをする場合が多いです。理由として、土日にポジションを保有したくないと考える投資家が多く、その影響で金曜日はポジション調整が入りやすくなります。ポジションを持ったままの場合、土日に何かあった場合は大損してしまう可能性があることから、多くの投資家はリスクを考え、週末に持ち越さないように行動します。したがって、金曜日のポジションの決済忘れには注意しましょう。
相場が荒れて決済するタイミングを失う
金曜日は相場が荒れやすく、その結果、ポジションを決済するタイミングを見失う危険性が高まります。理由は、土日に市場がクローズすることを見越して、多くの投資家が週末を迎える前にポジションを調整しようとするため、値動きが激しくなる可能性があるからです。
また、毎月第一金曜日には米国雇用統計が発表されます。これは投資家にとって重要な指標であり、「月に一度のお祭り」と言われます。世界中の投資家が注目するため、この発表によって相場が急激な変動を起こすこともあり、注意が必要です。
FXで週末にポジションを持ち越した場合のメリット
大きな利益になる可能性がある
週末と週明けによって生まれるチャートの差を窓と呼び、何らかの理由で相場の値が飛び、チャートに隙間ができてしまう現象を窓開けといいます。窓開けが起きた場合、高確率で窓埋めが起こります。窓埋めとは、価格が急激に変動して「窓」を開けた後、その逆方向に価格が動いて、窓が閉じる現象です。一般的に窓開けした相場は窓埋めする確率が高く、利益を狙いやすいです。
一部の中東の地域では金曜日が休日になる関係で土曜・日曜でもマーケットが開いており、市場参加者は平日に比べ少ないですが、それでも相場に影響を与えます。特に土曜・日曜にFX相場に変動を及ぼすような事件や出来事が発生した場合、市場参加者や取引量自体が少ないため、大きく値が動きます。
また、損切りを狙ったFXトレーダーによって、他の投資家が設定した損切りを巻き込んで儲けようとするプロがいます。これをストップ狩りと言います。平日ではストップ狩りを行おうとすると大変な資金がかかりますが、相場参加者や取引量が極めて少ない土曜・日曜であれば、一定の資金があれば相場を操作することが可能です。
これらの影響で土日の間に相場が動かされ、月曜日の早朝にマーケットがスタートすると窓開け状態となる可能性が高いです。
スワップポイントによる利益を受け取れる
土日もスワップポイントを貰えるため、高金利通貨を保有している場合は保有期間が長ければその分スワップポイントも多くもらうことが可能です。
FXで週末にポジションを持ち越した場合のデメリット
大きな損失になる可能性がある
ポジションを持ち越すメリットで窓開けによって大きな利益を得られる可能性があると紹介しましたが、反対に窓開けによってポジションが週明けにかけて下がっていく場合、損失につながります。特に開いた窓の中にストップロス注文（損切するための注文）を置いていた場合、ポジションが決済されない可能性があるので注意が必要です。
短期トレードを前提としたポジションの場合、持ち越しは危険です。持ち越してもよいのは、はじめから長期保有が前提でトレードしている場合のみおすすめします。
スワップポイントによる損失を被る
FXでポジションを持ち越すとスワップポイントが発生します。FXにおけるスワップポイントとは、取引する二ヶ国の通貨ペアの金利差によって生じる損益のことです。
高金利通貨（例えばトルコリラやメキシコペソ）を売って、低金利通貨（例えば日本円）を買う場合、そのポジションを長期間保有すると、金利差による支払いが増える可能性があります。これは、マイナススワップと呼ばれ、ポジションを持つ期間が長くなるほど支払う金額が増えるため、トレーダーはこのリスクに注意する必要があります。
ロスカット判定は土日にはされない
FX会社は土日が休みであるため、土日にロスカットは行われず、週明けの早朝に行われます。しかし窓開けの度合によってはロスカットが間に合わない可能性があります。窓開けによって間に合わない場合は、証拠金以上の損失が出る可能性があります。ロスカットが間に合わない可能性を考えて取引を行うようにしましょう。
スプレッドが広くなる可能性がある
週末にポジションを持ち越して、週明けに決済しようとする場合、スプレッドが広がる可能性があります。スプレッドとは取引での買値と売値の価格差であり、実質的な取引コストです。したがって、スプレッドが広がると取引コストが増加します。
FXでポジションを週末に持ち越してしまった場合にやるべきこと
最新の情報を集める
為替は国際情報によって変動するため、常に最新の情報を取得し、市場の予想を行いましょう。多くの市場で取引が行われず時間に余裕がある土日の内にさまざまな国のニュースなどを調べておくことで、次週の取引に自信をもって挑むことができます。
相場を分析して週明けに備える
取引を行うことができない土日は、これまでの取引を振り返り分析をして次の週に向けて備えておきましょう。平日であると、チャートの動きを追って取引機会を見つけようと必死になり、振り返りに時間を割けない人も多いはずです。しかし土日であれば一部を除いて取引は行われないため、余裕がある人が多いでしょう。
取引を振り返る際には、今週の取引回数・利幅・プロフィットファクターを記録しておくのがおすすめです。プロフィットファクターとはトレードの成績を数値化したものです。週のプロフィットファクターは、1週間のFX取引で得た総利益を総損失で割ると算出できます。
獲得した利益だけを注目するのではなく成績を数字に置き換えると、効率的な取引を行えたかどうかが分かります。数字を記録し続ければ、過去の成績と比較しやすくなるでしょう。土日を使って1週間の取引の課題や反省点を洗い出しておくことで、次の取引に生かせる可能性が大きいです。
FXでポジションを週末に持ち越す際は週明けのリスクに備えておこう
ここまでFXを週末に持ち越してしまった場合のメリットやリスクなどを紹介してきました。あまりポジションを持ち越すことはおすすめできませんが、持ち越してしまった場合に備えておきましょう。
この記事のまとめ
- FXで週末にポジションを持ち越してしまった場合、価格は土日も変動しているため、値動き次第で大きな損失になる
- 金曜日の夜からトレードをすると、ポジションの決済を忘れてしまったり、金曜日は相場が荒れているためポジションを決済するタイミングを見失う危険性が高まる
- FXで週末にポジションを持ち越してしまった場合、窓開けを利用すれば利益につながる可能性がある
ポジションを持ち越すことは良くないと考える人が多いですが、長期の取引を考えている場合などはスワップポイントを継続してもらえたり、大きな利益を得られる可能性などメリットもたくさん存在します。
