✅ 週明けは動意薄ながら、ドル買い・円売り優勢続く ドル円は154円前後で高値圏推移
💹 ドル円:静かな幕開けも円キャリー継続
週明けの東京市場は文化の日で休場となり、取引は全般に薄商い。
先週末にかけて進んだドル高・円安の流れを引き継ぎ、
ドル円は**154円台前半(154.10〜154.30円)**で高値圏を維持している。
明確な調整は見られず、円キャリートレード再拡大の流れが続いており、
短期的には円安圧力が根強い状態だ。
🏦 先週の主要中銀イベントを振り返る:政策温度差が明確に
| 中銀 | 政策内容 | 市場反応 | 概要 |
|---|---|---|---|
| 🇺🇸 FRB(FOMC) | 0.25%利下げ(予想通り) | ドル買い | パウエル議長「12月利下げは確定的ではない」と発言、ドル高要因に |
| 🇯🇵 日銀 | 据え置き(7対2) | 円売り | 植田総裁「確度上がるも、もう少しデータを見たい」と慎重姿勢 |
| 🇪🇺 ECB | 据え置き | 反応限定 | インフレ目標達成を確認し、安定的な政策運営へ |
| 🇨🇦 カナダ中銀 | 据え置き | 加ドル売り | ハト派的コメントで追加緩和余地を残す発言 |
日米間の金融政策スタンスの差が一段と鮮明となり、
金利差を背景とした円キャリー取引が再び活発化。
結果として円売り構造が定着しやすい環境が続いている。
🗣️ 植田総裁の慎重トーンが円売りを支える
「経済・物価見通しの確度は上がっているが、もう少しデータを見たい」
「現状、ビハインド・ザ・カーブに陥る懸念は高まっていない」
こうした発言を受け、12月利上げ観測は後退。
市場では「来年1月の利上げ実施確率98%」との見方が優勢となった。
さらに、高市政権による“高圧経済”路線(財政拡張・緩和継続)も
日銀の引き締め余地を抑える方向に働いている。
🌍 国際情勢:摩擦緩和でリスク選好持続
- 中国商務省:EUとサプライチェーン安定化で合意。
→ 貿易摩擦の一時的緩和が市場心理を支える。 - 米中・日米関係でも対話継続姿勢が確認され、
短期的にはリスク回避よりもキャリートレード優勢の地合いが続く。
📊 今後の経済指標・イベント予定
| 地域 | 指標・イベント | 内容 | 注目度 |
|---|---|---|---|
| 🇫🇷 フランス | 製造業PMI確報(10月) | 小幅改善見通し | ★★ |
| 🇩🇪 ドイツ | 製造業PMI確報(10月) | 景気分岐点下で停滞 | ★★ |
| 🇪🇺 ユーロ圏 | PMI確報(10月) | 鈍化傾向続く | ★★★ |
| 🇬🇧 英国 | 製造業PMI確報(10月) | 低水準で推移 | ★★ |
| 🇺🇸 米国 | ISM製造業指数(10月) | 予想49.5(前回49.1) | ★★★★ |
| 🇹🇷 トルコ | 消費者物価指数(10月) | インフレ高止まり | ★★ |
| 🇨🇭 スイス | CPI(10月) | 緩やかに低下 | ★★ |
📍 ISMの焦点:
改善すればドル買い継続、逆に50割れが続けば米景気減速懸念が再燃。
💬 当局者発言スケジュール
- 欧州時間:シムカス、レーン、エスクリバ、コッハー(ECB)講演
- NY時間:デイリー(SF連銀)、マックレム(加中銀)、クック(FRB理事)発言
→ タカ派・ハト派の温度差がドルの方向性を左右する可能性。
💱 ロンドン時間 為替概況(18:30時点)
| 通貨ペア | 現在値 | コメント |
|---|---|---|
| USD/JPY | 154.10 | 高値圏維持、円売り基調続くも上値重い |
| EUR/USD | 1.1518 | ドル買いで安値更新気味 |
| EUR/JPY | 177.49 | 円安持続も一服感 |
| GBP/JPY | 202.20 | クロス円軟調、リスク調整の動き |
✅ 総括:今週の見通し
週明けは静かな滑り出しとなったが、
日米の金利差構造が円キャリーを支える要因となっている。
一方で、今週後半にはISM・ADP・米雇用統計と重要指標が控えており、
結果次第で流れが一変する可能性も。
現状、ドル円は154円を中心としたもみ合いレンジを維持しつつ、
押し目買い意欲が優勢な展開が続く見通しだ。





