〇 トランプ政権の政策に市場が過敏反応、リスク警戒が広がる

米トランプ政権は、不法移民の送還を巡りコロンビア政府に対して強硬な姿勢を示しました。25%の関税賦課やビザ発給停止、さらには1週間以内に50%に引き上げる方針を発表。この影響で市場ではリスク警戒ムードが一時拡大しました。コロンビア政府は対抗措置を示唆していましたが、最終的に移民受け入れを含む条件をホワイトハウスと合意し、関税発動は保留に至りました。

これを受け、ドル円は155円台まで一時円高が進行。しかし、その後は156円台へ反発し、リスク警戒ムードの一服感が見られました。一方で、ユーロドルはドル買いの流れで1.0500台から1.0450台へと下落するなど、不安定な値動きを見せています。市場は引き続きトランプ政権の政策に敏感に反応し、上下に荒い値動きが続く見込みです。


ドル円

現在は156円20銭付近で推移。リスク警戒の一巡でドル円は円売りの流れを見せていますが、新たな円売り材料は不足しており、ここからの上昇には慎重な見方が強い状況。引き続き市場のリスクオン・リスクオフ動向を注視する必要があります。


ユーロドル

1.05台の買いには慎重な姿勢が見られる一方、リスク警戒によるドル買いが上値を抑制。金曜日の上昇幅の半値押し水準での攻防となっています。今週予定されているECB理事会を控え、大きな方向感が出にくい状況が続きそうです。


ユーロ円

リスク警戒の影響で163円台から162円台半ばまで下落。その後は163円台前半まで回復しましたが、方向感に欠ける展開。日経平均の軟調さに対し、香港ハンセン指数が堅調と、アジア市場もまちまちな動きとなっています。ドル円の動向がクロス円全体の方向感を左右する展開が続きそうです。


中南米通貨の不安定な動き

コロンビア問題の影響で、ドルメキシコペソはドル高ペソ安が進行。一時20.51まで上昇した後、20.40台で推移しています。中南米諸国は30日に緊急首脳会合を開催予定で、ペソを含む中南米通貨は当面不安定な動きが予想されます。


カナダドルに注目

メキシコペソの弱含みを背景に、カナダドル(CAD)にも影響が及ぶ可能性があります。特にトランプ大統領の発言次第では大きな値動きが想定され、CADの売り圧力が高まる可能性もあるため、警戒が必要です。


戦略ポイント

  1. ドル円:
    上昇一服後、方向感を見極めつつ中立的に対応。特に156円台後半から上値追いは慎重に。
  2. ユーロドル:
    今週のECB理事会次第で新たな方向感が出る可能性。イベント前は短期的なドル買いに注意。
  3. カナダドル:
    米トランプ政権の政策発表に対する敏感な市場反応を背景に、売り目線を維持。

トランプ政権の政策や市場のリスク警戒ムードの高まりを背景に、為替市場は引き続き荒れた展開が予想されます。柔軟な対応を心掛けつつ、主要通貨ペアの注目ポイントを見逃さないようにしたいところです。

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