パウエルFRB議長の発言に注目
今日の東京市場では、円高が進行しました。特に、植田日銀総裁が金融政策の正常化を進める姿勢を改めて示したことが、円買いを促進。ドル円は一時的に前日のニューヨーク終値から約1円のドル安・円高となり、145.30付近まで下落しました。ユーロ円も同様に0.80円以上のユーロ安・円高が進み、145.30付近まで下落しましたが、その後、円買いの動きは一服し、円高の動きはやや落ち着きを見せています。
今後の注目ポイント:パウエルFRB議長の講演
この後の海外市場では、米カンザスシティー地区連銀主催のジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長の講演が注目されています。先日発表された米雇用統計の年次改定で、3月までの1年間の雇用者数が81万8000人下方修正されました。これを踏まえると、月間の雇用者数の伸びは24万2000人から約17万4000人に下方修正されることになります。
米労働市場は以前より落ち着きを見せていますが、それでも月17万4000人の雇用者数の伸びは決して悪い数字ではありません。さらに、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)までに8月の米雇用統計と消費者物価指数(CPI)という2つの重要な経済指標が発表される予定です。パウエル議長はインフレ鈍化を踏まえ、9月の利下げを示唆する可能性がありますが、その利下げ幅が通常の0.25%を超えるかどうかについては、明言を避ける可能性が高いです。
一方で、パウエル議長は、米経済のハードランディングに対する懸念を否定する可能性が高いです。米労働市場は一時の過熱から落ち着いたものの、米経済が依然として健全であり、景気後退(リセッション)の可能性が低いと強調すれば、米株式市場が上昇し、リスク選好の動きが強まり、円売りが進む可能性があります。
その他の注目イベント
この後の海外市場では、パウエル議長以外にも英米の中銀関係者による発言が予定されています。ベイリー英中銀総裁、ボスティック米アトランタ地区連銀総裁、グールズビー米シカゴ地区連銀総裁の発言が注目されます。また、経済指標としては、カナダ小売売上高(6月)や米新築住宅販売件数(7月)の発表も控えています。
トレード戦略
パウエル議長の発言は23時頃に予定されており、それに伴う値動きが注目されます。もし、大きなトレンドが形成されるようであれば、その動きに追随する形でのトレードを検討します。