【リスクイベント連発の中、注目は米雇用統計とパウエル議長講演】
― 市場はトランプ関税ショック後の真価を試される局面へ ―
■ トランプ関税ショック続く:市場は引き続きリスク回避モード
今週発表された**トランプ前大統領の「相互関税」**は、事前の予想を上回る厳しさで、市場に激震を与えました。
- 一律10%の基本関税に加え、国別での関税上乗せが判明
- 株式市場は世界的にリスクオフ、米ドルは売られ、円・スイス・ユーロが逃避先に
- トランプ氏は「主導権は米国にある」と強気継続。各国の譲歩を引き出すまで追加関税も示唆
→ 今後のマーケットはEU、中国、英国などの“報復関税・外交姿勢”の出方を追う展開へ。
■ 本日:清明節によるアジア休場&週末要因で一時的に動意低下も
- 本日、中国・香港市場は清明節により休場
- 週末前のリスク回避の手仕舞い・様子見姿勢が出やすく、市場流動性はやや低下
→ 一方で、材料が材料だけにボラティリティは依然高止まり。戻り局面ではショート勢の利確買いも想定。
■ 注目材料①:21:30発表の米3月雇用統計
今夜の米雇用統計は、関税ショックの影響を反映していないが、現在の雇用環境を測る上で重要。
📌市場予想(コンセンサス):
- 非農業部門雇用者数:+14.0万人(前回+15.1万人)
- 失業率:4.1%(前回4.1%)
- 平均時給:前月比 +0.3%、前年比 +4.0%(いずれも前回と同水準)
🟨 注目ポイント:
- 昨日のチャレンジャー人員削減数の急増は、政府機関の人員削減(いわゆる「DOGE:政府効率化省」主導)による影響との指摘あり
- 本日の統計にも一部その影響が反映される可能性があり、予想を下回るリスクも
→ 雇用統計の結果次第では、ドル売り・円買い・金買いの加速リスクがあるため、初動の値動きには特に注意。
■ 注目材料②:パウエルFRB議長の講演
- 米SABEW年次会議にて経済見通しに関する講演
- トランプ関税発表後、FRB高官の発言としては初
🟨 注目視点:
- 関税によるインフレ加速と景気抑制の両面リスクへの言及があるか
- 相場混乱を沈静化させるようなバランス重視のスタンスが取られるかどうか
→ パウエル講演の後には、バーFRB理事、ウォラー理事の講演も予定されており、政策スタンスへのヒントが集中する時間帯。
■ トレード戦略:21:30以降の値動きを見極め、短期順張りが有効
📌 本日の基本方針:
通貨・資産 | スタンス | 注目ポイント |
---|---|---|
USD/JPY | 戻り売り優勢 | 雇用統計が弱ければ146円割れ試しも視野 |
EUR/USD | 買い方向継続 | 安全通貨+ドル安連動、1.09台試しの可能性 |
GOLD | 押し目買い戦略 | 2250~2280ドルは意識される支持帯 |
株価指数 | 売り優勢 | 米株は関税→業績圧迫懸念。特にナスダック弱含み |
📊 総括
テーマ | 内容 |
---|---|
関税問題 | トランプ関税が想定以上に強硬。報復合戦の序章となるか |
雇用統計 | 人員削減の影響が出ればサプライズの可能性。初動に注目 |
パウエル講演 | 市場心理の安定化に向けたメッセージが出るかどうか |
戦略 | 雇用統計後の方向感を確認し、順張りエントリーを狙う |