米国に視線集中：トランプ関税、次期財務長官の影響と市場の調整
東京市場の動向：リスク回避の展開
東京市場では日経平均が反落しました。トランプ次期大統領がSNSで「中国に追加で10％、メキシコとカナダに25％の関税を課す」と宣言したことで、リスク回避の動きが強まりました。この影響で円高が進行しつつも、ドルも堅調に推移しています。一方、上海株と香港株は辛うじてプラス圏を維持している状況です。
米次期財務長官指名：市場の反応
- トランプ氏が次期財務長官にベッセント氏を指名したと報じられ、米株式市場は堅調。
- ヘッジファンド創業者としての実績が金融政策の安定志向を期待させ、ポジティブな影響をもたらしました。
市場の注目ポイント
- トランプトレードの調整モード
米国をめぐる材料が目まぐるしく変化する中、新規材料に対して市場は引き続き敏感に反応しています。
特に暗号通貨やドル円などの「下げたところを買う」スタンスが意識されています。 - 感謝祭ウィーク
米国市場は薄商いが予想され、方向感をつかみにくい展開になる可能性があります。
注目経済指標
本日の海外市場で発表される指標は注目度が低いものの、以下が予定されています：
- 香港貿易収支（10月）
- ブラジル拡大消費者物価指数（IPCA、11月）
- 米住宅価格指数（9月・第3四半期）
- 米S&Pケースシラー住宅価格（20都市、9月）
- 米新築住宅販売件数（10月）
- 米リッチモンド連銀製造業指数（11月）
米指標の中では新築住宅販売件数が短期的な市場反応を引き起こす可能性があると考えられます。
重要イベント：FOMC議事録公表
- 議事録のポイント：11月6日～7日開催分が公表予定。好調な米経済を背景に利下げを急がない姿勢が示される公算が高い。
- 市場予想：
- 12月の利下げ確率：56%（CMEフェドウォッチ）
- 据え置き確率：44%
また、米国債入札（5年債700億ドル、2年変動利付債280億ドル）も予定されており、金利動向に影響を与える可能性があります。
欧州・ロンドン市場の注目
欧州では、ECB当局者らの発言が予定されています。
- 発言予定者：
- ビルロワドガロー仏中銀総裁
- センテノ・ポルトガル中銀総裁
- レーン・フィンランド中銀総裁
- その他の中銀関係者
新たな材料にはなりにくいと見られますが、市場ムードを左右する可能性があるためチェックが必要です。
戦略：トランプトレード調整下での立ち回り
ドル円（USD/JPY）
- 下げたところでの買い戦略が有効。
- 現状154円台のサポートを維持する動きに注目し、エントリーポイントを探る。
暗号通貨
- リスク選好が回復した場合、暗号通貨の押し目買いを積極的に検討。
ユーロ／ドル（EUR/USD）
- ECB利下げ観測が上値を抑える展開が続く中、反発局面での売りを検討。
ポンド／ドル（GBP/USD）
- 英国経済指標の弱さを背景に、引き続き上値が重い展開が想定されるため売り目線。
まとめ
市場は「トランプ関税」「次期米財務長官」など米国材料に振らされつつも、調整ムードの中で方向感を探る展開が続いています。本日はリスクオフの動きに警戒しつつ、ドル円や暗号通貨での押し目買い、ユーロやポンドの売り戦略を意識した柔軟な対応が求められます。
